セブン、インドでコンビニ出店 現地財閥とFC展開

【ムンバイ=花田亮輔】インド財閥大手リライアンス・インダストリーズは7日、セブン&アイ・ホールディングス傘下の米セブンイレブンとコンビニエンスストアのフランチャイズチェーン(FC)契約を結んだと発表した。9日に1号店を商都ムンバイに開く。まずはムンバイ周辺で店舗を増やしていく方針だ。
セブンは現地小売り大手フューチャー・グループとインド進出を図ってきたが、フューチャーの経営悪化などに伴い未出店のまま5日にFC契約を終了したばかりだった。フューチャーは2020年8月にリライアンスに小売りや物流事業を売却する方針を明らかにしていたが、インドでリライアンスと競合する米アマゾン・ドット・コムが中止を求めて係争が続いている。
インドの小売市場はキラナと呼ばれる零細店が大半を占めるが、リライアンスは小売事業の拡大を進めてきた。すでに食品スーパー「リライアンス・フレッシュ」などを手がけており、小売部門を束ねるリライアンス・リテール・ベンチャーズの20年度の売上高は1兆5762億ルピー(約2兆3000億円)だった。
19年度の売上高を基にデロイトトーマツがまとめた世界の小売業ランキングによると、リライアンスは53位だった。インド企業としてはトップだったが、インドのネット通販大手フリップカートを傘下に持つ米ウォルマート(1位)などとの差は大きい。フューチャーからの事業買収が停滞するなか、セブンとの提携で小売事業の成長につなげたい考えだ。