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海警法「国際法に適合」中国外相

ビデオ形式での記者会見に臨む王毅外相(7日、北京)=AP

【北京=羽田野主】中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は7日の記者会見で、2月に施行した中国周辺海域で活動する海警局の権限などを定めた海警法について「完全に国際法に適合している」と主張した。南シナ海で米海軍が展開する「航行の自由作戦」を批判し、中国の行動を改めて正当化した。

記者会見での王氏の発言からは日本だけでなく米欧とも溝が広がっており、妥協点を見いだしにくくなっている中国の苦しい現状がうかがえる。

海警法に関して王氏は「日本を含めた多くの国は関連した法律をとっくに制定している」と話した。法制定は当然の権利だとの認識を示した。

海警法が2月に施行されてから同月28日までに海警局の船による沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の接続水域内航行を確認した日数は合計で26日に上った。領海侵入も6回に及んでいる。

中国国防省は3月1日に「中国公船は自国領海で法執行活動を行っており、今後も常態化していく」と強調したばかりだ。王氏は「中日関係の改善は完全に両国民の利益に合致する」とも語ったが、具体的な改善策には触れなかった。

習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪日は延期になったまま見通しが立たなくなっている。外交が専門の中国人民大学の時殷弘教授は「(尖閣問題などで)中日の対立や争いはかつてないほど深刻だ。中日関係の本当の改善はかなり難しい」と指摘する。

南シナ海を巡って王氏は「米国など一部の西側が波風を立てている。彼らの目的はただひとつ、平和を破壊することだ」と語気を強めた。同海域を巡っては、2月に米海軍のミサイル駆逐艦「ラッセル」が航行の自由作戦で南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島付近を通航した。

新型コロナウイルスの流行や香港問題を受けて欧州との関係も悪化している。ドイツは今年の夏にフリゲート艦をアジア地域に派遣し、南シナ海を航行する計画だ。英海軍は空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃群を東アジアに展開する予定で、アジア太平洋の海域で中国と米欧の間で緊張が高まっている。

習指導部は台湾問題でも懸念を深めているようだ。李克強(リー・クォーチャン)首相は5日の政府活動報告で、中国大陸からの台湾の分裂や独立をめざす勢力について「高度に警戒する」と強調した。20年よりも表現を強めている。

中国のこうした強硬姿勢は、中国国務院(政府)が5日に公表した2021年の予算案からもうかがえる。外交活動にかける予算は前年比1.9%減の504億元(約8400億円)で2年連続の減少となった。一方で国防費は前年比6.8%増と昨年に続き6%以上の伸びを続けている。

王氏は混乱が続くミャンマー情勢に関し「中国はミャンマーの各方面と連絡を取り、緊張緩和のために積極的に建設的な役割を発揮していきたい」と述べた。「憲法と法律の枠組みのもとで国内の民主化のプロセスを進めるように希望する」とも話した。

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