SKハイニックス、NAND性能35%向上 176層を開発

【ソウル=細川幸太郎】韓国半導体大手SKハイニックスは7日、データ保存に使うNAND型フラッシュメモリーで、世界最先端となる176層の新製品を開発したと発表した。現行の128層と比べてデータ保存性能が35%向上するという。顧客企業にサンプル提供を始めており、2021年半ばに量産を始める計画だ。
NANDではデータを保存する「記憶素子」を積み重ねてデータ容量を増やすため、各社が素子の積層数を競っている。競合では米マイクロン・テクノロジーが11月に176層の開発を発表した。スマートフォンやパソコンのデータ容量の拡大が続いており、SKも新製品で市場ニーズに対応する。
SKによると、新開発した176層NANDでは、データの読み取り速度を約70%、書き込み速度を約35%高められるという。スマホのほかパソコンやサーバーに搭載する記憶装置「ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)」などに活用される。
NANDで世界シェア36%を持つサムスン電子は研究開発段階で176層を実現できる技術力を持ちながらも「積層化競争」には一定の距離を置く。記憶素子の積み重ねでは製品性能や歩留まり(良品率)向上に限界がくる可能性もあり、他社とは異なる性能向上策も模索しているようだ。
SKハイニックスは主要2種のメモリーのうち、データの一時保存に使うDRAMではサムスンに次ぐ2位につけるものの、NANDでは5位にとどまる。10月には同6位のインテルのNAND事業を約9500億円で買収すると発表するなどNAND強化策を打ち出している。
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