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中国輸入、内需関連伸び悩み コロナ再拡大背景に

輸出は年後半に減速するとの見方が多い(上海市)=共同

中国税関総署が7日発表した7月のドル建て輸入額は、前年同月より28%増えた。1月から続く2ケタ増のけん引役は、価格が上昇した資源と半導体だ。生産部材など中国の内需に関係する品目は伸びが鈍かった。国内景気の回復力が落ちれば、対中貿易への依存度が高い国々の経済にも影を落とす。

輸入額は2260億ドル(約25兆円)だった。品目別にみると、資源の伸びが目立った。鉄鉱石や天然ガスは6割前後、原油は5割それぞれ調達額が膨らんだ。国際商品市況の回復で前年同月と比べて価格が大幅に上がったためだ。

最大の輸入品目である半導体は金額、数量ともに2割増えた。米商務省が華為技術(ファーウェイ)向け禁輸を厳格化した最先端の製品以外で輸入が拡大しているとの指摘は多い。今後の半導体不足を懸念した企業が「適正在庫の水準を引き上げて多めに調達している」(丸紅中国の鈴木貴元氏)という要因もある。

対照的に、中国の生産や消費を反映する品目では輸入が停滞した製品が多い。半導体の調達難で自動車メーカーが生産調整している影響で、自動車部品の輸入は1%増と、6月の23%増から急ブレーキがかかった。液晶パネルも5%増にとどまった。都市部に住む若者らの消費を映す化粧品やヘアケア用品は7%増と、6月に続き1ケタの伸びだった。

中国では新型コロナウイルスの感染抑制に伴い、20年夏から貿易が復調してきた。21年前半の輸入を押し上げた反動増の効果は少しずつはげ落ちている。国内景気の回復基調に変調がみられることも懸念材料だ。

原材料価格の上昇は企業収益を圧迫している。中小零細企業が多い民間企業のうち赤字に陥った比率はなお新型コロナ前の水準を上回る。新型コロナの感染が7月下旬から30以上の都市に再拡大したことで当局は行動規制を強化しており、個人消費の下振れも避けられない。

企業の景況感を示す製造業購買担当者景気指数(PMI)をみると、輸入の動向を調べた指数は6、7月と2カ月連続で節目の50を割り込んだ。中国の証券会社、浙商証券の李超チーフエコノミストは「21年後半は内需の減速に伴い輸入の伸びも鈍る」と分析する。対中輸出への依存度が高いアジアの国・地域の景気回復にも影響を及ぼしかねない。

7月の輸出額は2826億ドルで、前年同月比19%増えた。伸び率は6月の32%から大幅に鈍化した。マスクなど新型コロナ関連が落ち込んだほか、パソコンや家具など耐久消費財の伸びが縮まった。

主要国でワクチン接種が広がり、出荷先の先進国や他の輸出国で生産が回復している。世界に先駆けてサプライチェーン(供給網)を回復させた中国企業は20年から他国の生産分を代替してきたが、こうした押し上げ効果は薄れてきている。輸出から輸入を引いた貿易収支は約565億ドルの黒字で、前年同月より6%減った。(北京=川手伊織)

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