サムスン、部門トップを刷新 スマホと家電を一体管理

【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子は7日、主要部門ごとに3人いる最高経営責任者(CEO)を全員交代したと発表した。スマートフォン事業と家電事業を統合し、製品とデバイスの2部門体制としてCEOを2人に減らした。組織改編とトップ刷新で新事業創出を目指す。
人事と組織改編は7日付。サムスン売上高の6割を占めるスマホと家電を統括する製品部門CEOには、テレビ事業を担当していた韓宗熙(ハン・ジョンヒ、59)氏を充てる。半導体とディスプレーのデバイス部門CEOには半導体メモリー事業を率いてきた慶桂顕(ギョン・ゲヒョン、58)氏が就く。
サムスンは創業者の孫にあたる李在鎔(イ・ジェヨン、53)副会長が経営トップを担いながらも各部門CEOに権限を委譲してきた経緯がある。これまでのCEO3人の経営体制で4年が経過し、人事を刷新して新たな経営方針を打ち出す。
デバイス部門CEOだった金奇南(キム・ギナム、63)氏はサムスン電子総合技術院の会長に就いた。スマホ部門の高東真(コ・ドンジン、60)氏と家電部門の金炫奭(キム・ヒョンソク、60)氏は顧問に就いた。
スマホと家電の主力2部門を統合したのは、自社製品を連結させて新サービスを生み出す狙いがあるためだ。サムスンは「製品・サービス間の相乗効果を生み出す」としており、スマホやテレビなど世界トップシェアの製品群を抱えるハードウエアの強みを生かして既存顧客の囲い込みを急ぐ。