22年中国新車販売、2%増の2686万台 EVは536万台

【上海=若杉朋子】中国汽車工業協会は12日、2022年の新車販売台数が21年比2.1%増の2686万4000台だったと発表した。2年連続で前年実績を上回った。電気自動車(EV)は同81.6%増の536万5000台と、22年の日本の新車販売台数を上回った。
22年12月単月の新車販売は新型コロナウイルスの感染が全国的に広がった影響を受け、前年同月比8.4%減の255万6000台だった。
22年通年の販売台数は、乗用車が前年比9.5%増の2356万3000台、商用車が同31.2%減の330万台だった。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など「新エネルギー車」は93.4%増の688万7000台と、過去最高だった。メーカーに補助金を支給するなど政府による新エネ車の普及促進策が追い風となり、新車市場に占める新エネ車の比率は25.6%に達した。

メーカー別では、EV大手の比亜迪(BYD)が前年比2.5倍の186万9000台と大きく伸ばした。若者をターゲットにデザイン性を高めた「海洋シリーズ」を投入するなど品ぞろえを増やし、拡大する新エネ車市場の追い風に乗った。
一方、日系ブランドは新型コロナの感染拡大の影響や半導体不足で苦戦を強いられた。トヨタ自動車は10年ぶりに前年比で減少したほか、ホンダや日産自動車も減少した。その他の外資では、米ゼネラル・モーターズ(GM)が、出資する上汽通用五菱汽車も含めて230万台以上を販売したが、前年比では減少した。

中国汽車工業協会の新車販売統計には中国から海外への輸出台数も含まれる。22年の輸出台数は前年比54.4%増の311万1000台となり、過去最高だった。南米や東南アジアへの輸出が目立った。中国汽車工業協会の幹部は「ガソリン車、新エネ車を問わずに中国ブランドの商品競争力が全面的に高まっている」と述べた。
23年の販売台数は22年比3%増の2760万台となると予測する。新エネ車は3割増の900万台となる見込みで、普及が一段と進む見通しだ。