中国の広州汽車、航続距離1000キロ超のEV発売

【広州=川上尚志】中国国有自動車大手の広州汽車集団は5日、1回の充電による航続距離が1000キロメートルを超える電気自動車(EV)を発売した。量産車で「世界最長」の航続距離だという。消費者がEVに対して抱く距離への不安を軽減できるとアピールし販売拡大を目指す。
5日から独自ブランド「AION」で多目的スポーツ車(SUV)の新車種「LX Plus」の販売を始めた。航続距離が中国独自のCLTC基準で1008キロとなる最上級車の価格は45万9600元(約840万円)。独自に開発した「スポンジシリコン」と呼ぶ材料の技術で電池のエネルギー密度を高めたという。
中国では広州汽車のほかにも航続距離の長さにこだわったEVが相次いで登場している。新興EVメーカーの上海蔚来汽車(NIO)も航続距離が1000キロ(CLTC基準)の「ET7」の受注を進めており、3月下旬から引き渡しを始める予定だ。