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金正恩氏、経済目標の未達認める 北朝鮮が5年ぶり党大会

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の第8回朝鮮労働党大会が5日に始まった。金正恩(キム・ジョンウン)委員長は開会の辞で、経済目標の未達を認めた。米国との核交渉が頓挫し、新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。新たに示す党運営の方針で、対米関係を含む戦略の誤算をどう修正するかが焦点となる。

5日に開かれた第8回朝鮮労働党大会=朝鮮中央通信・朝鮮通信

党大会は北朝鮮の最高指導機関と位置づけられる。今回は2016年5月から約5年ぶりで、1945年の党創建以来だと通算8回目だ。6日の朝鮮中央通信によると、党の活動総括や規約改正、中央指導機関の選挙が議題となる。

金正恩氏は開会の辞で、16年の党大会で決めた国家経済発展5カ年戦略に触れ「掲げた目標は、ほぼ全ての部門で甚だしく未達だった」と発言した。非核化措置と引き換えに米国から経済制裁の解除を引き出し、中国や韓国の投資を呼び込む構想は行き詰まった。

新型コロナウイルスの流入を防ぐため、20年1月から中朝の境界を完全封鎖している。頼みの綱である中国との貿易総額は昨年、前年の4分の1程度に落ち込んだ。夏には穀倉地帯を水害が襲った。経済は「三重苦」の状況に陥り、指導部は昨秋以降に「80日戦闘」のスローガンを掲げて各部門の増産運動を展開した。

金正恩氏は軍や市民の慰労に気を配り、求心力の維持に苦心している。10月の軍事パレードでは涙ぐみながら「ありがとう」と繰り返した。新年には敬語で「いつも支持してくださった心に感謝します」とつづった直筆の書簡まで公開した。

金正恩氏は5日、対外政策には言及しなかった。トランプ米大統領の退任が決まり、首脳間のトップ交渉をめざした対米戦略は振り出しに戻る。

米国に核の脅威を見せつけて関心をひき付けるのが常とう手段だが、5日は核を念頭に「祖国と人民の運命を守ることができる強力な保証を用意した」と述べるにとどまった。10月に新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公開して以降、挑発的な言動は控えている。

党大会では指導部の組織再編を打ち出す可能性が高い。韓国の国家情報院は金正恩氏が権限の分散を進めていると分析しており、妹で右腕の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の処遇が注目されている。

5日はひな壇中央の金正恩氏の左隣に崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長、右隣には核・ミサイル開発を主導してきた李炳哲(リ・ビョンチョル)政治局常務委員が座った。

21年は金正恩氏が最高指導者に就いて10年目にあたる。北朝鮮政治に詳しい韓国西江大の金英秀教授は「党大会は第2期の金正恩体制を構想する場になる」と指摘している。

報道によると党大会には5千人の党員が出席した。マスクは着用していなかった。

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