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中国、豪州との戦略経済対話「無期限停止」

(更新)
中国とオーストラリアの関係は新型コロナや人権問題をきっかけに一段と悪化(上海市)=AP

【北京=川手伊織、シドニー=松本史】中国国家発展改革委員会は6日、オーストラリアとの戦略経済対話に基づく一切の活動を無期限停止すると発表した。同国のモリソン政権が安全保障上の観点から、中国企業が豪州の地方政府と結んだ商業港の賃貸契約の見直しを検討していることへの報復とみられる。

中国発改委は無期限停止の理由として「一部の豪州政府関係者が冷戦思想とイデオロギーに対する偏見から、両国の正常な交流や協調を妨害、破壊している」と批判した。これに対し、豪州のテハン貿易・観光・投資相は6日「残念だ。戦略経済対話は豪中にとって経済的な協定に関する問題を話し合う重要な場だった」との声明を発表した。

両国の戦略経済対話は2014年に初開催した。15年の第2回会合では投資ラウンドテーブルを開き、中国企業が「豪州北部開発フォーラム」に参加することを支持。17年の第3回会合では第三国市場での協調に関する覚書に署名したほか、枠組みのもとに競争政策に関するワーキンググループを設けると宣言した。

両国は関係強化を模索してきたが、中国による豪州への内政干渉疑惑が転機となった。17年後半に中国人実業家から資金援助を受けた豪州の野党議員が、南シナ海問題で中国寄りの発言をしていたことが判明した。豪州世論の反中感情が強まった。

今回の「無期限停止」措置は、中国が豪州をけん制する象徴的な意味合いが強いとみられる。シドニー工科大学豪中関係研究所のジェームズ・ローレンスソン教授は「豪州政府は中国からの反応は覚悟していたはずだ。(豪産品の輸入制限など)もっと悪い結果もありえた」と話す。

両国の関係悪化は、豪州が20年4月に新型コロナウイルスの発生源を巡る独立調査を求めたことで決定的になった。中国は豪州産の大麦やワインに高い輸入関税をかけるなど相次ぐ報復を打ち出した。

豪州は米国と足並みをそろえて中国をけん制する。21年4月下旬、ペイン外相は南東部ビクトリア州が国家発展改革委員会と18年から19年にかけて結んだ協定と覚書を無効にすると発表した。中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」に同州が協力するというものだ。

その直後にはダットン豪国防相が台湾有事を巡る可能性について言及し、中国側の反発を招いた。同氏は5月に中国企業が北部準州政府と結んだ商業港の賃借契約について、政府が見直しを検討していることも明らかにした。

この港は、米海兵隊が巡回駐留する豪北部の要衝ダーウィンにある。モリソン首相は4月下旬、ダーウィン近辺など北部準州にある4カ所の軍事訓練施設の増強を発表し、「不確実性がある地域では、国益を守るため防衛能力を確実に持つ必要がある」と発言した。

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