エアアジア、133億円の融資枠に政府保証

【シンガポール=谷繭子】マレーシアの格安航空会社(LCC)大手、エアアジア・グループは5日、国内の銀行団から借り入れる5億リンギ(約133億円)の融資枠について、政府保証を取り付けたと発表した。同社向け融資に政府保証が付くのは今回が初めて。財務悪化で信用力が低下する中、政府の信用補完で当面の運転資金を確保する。
政府が新型コロナウイルス禍で資金不足に陥った企業を支援するために設立した保証制度を使う。財務省傘下の公的保証機関であるダナジャミン・ナショナルが、融資の80%の保証を認可した。貸し手の銀行名は明らかにしていない。融資は機体整備など運転資金にあてる。
カマルディン・メラヌン会長は「主要市場への運航再開を準備するなか、この融資認可で資金調達戦略が加速する」と述べた。東南アジアではコロナの悪化で航空事業の回復が遅れたものの、ここへきてタイのプーケット島など一部のリゾートで試験的な旅行者受け入れが始まっている。
トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は2020年中ごろから政府保証の融資を「確保した」と述べていた。銀行団との融資は合意済みだったというが、政府の認可に時間がかかったもようだ。
同社は今年に入り、個人投資家などから約3億3600万リンギを調達し、不要機材の返却などで資金繰りをしていたが、6月の債務超過額は50億リンギに膨らんでいた。7月には10億リンギの増資計画を発表した。これとは別に、関連会社のエアアジアXも10月、同様の保証付き融資5億リンギを申請する計画を発表している。

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