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米と中国・ロシア、台湾巡り非難応酬 ASEANは自制促す

【プノンペン=地曳航也】日米中ロと東南アジア諸国連合(ASEAN)など計18カ国は5日、カンボジアの首都プノンペンで東アジアサミット(EAS)の外相会議を開いた。ペロシ米下院議長の台湾訪問で強まる米国と中国の間の緊張が一連の会議に影を落とし、非難の応酬となった。

ブリンケン米国務長官は会議でペロシ氏の訪台後、中国が台湾周辺で実施している大規模な軍事演習について「台湾海峡の現状を変更しようとしている」と指摘。居合わせた中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相を批判した。

林芳正外相は「中国の行動は地域および国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える」と演習の即時停止を求めた。複数の国から中国の行動を非難する声が上がった。日本外務省が明らかにした。

韓国の朴振(パク・ジン)外相は台湾海峡が「世界の大型船舶の80%以上が通過する海上交通路だ」と言及し、緊張の高まりに懸念を示した。台湾海峡での対立の深刻化が「朝鮮半島の平和と安定にも否定的な影響を及ぼす恐れがある」とも述べた。

インドネシアのルトノ外相は「インド太平洋地域の平和と安定が損なわれると、世界に連鎖反応を起こす」とにらみ合う大国に自制を促した。

AP通信によると、ブリンケン氏は会議が始まる前、最後に会場に入った。離れた席にいた王氏やウクライナ問題で対立するロシアのラブロフ外相と目を合わせることはなかった。

中ロ外相は会議後、個別に会談した。王氏は「(ペロシ氏の)性急な台湾訪問は『一つの中国』の原則の重大な違反だ」と指摘し、米側に代償を支払わせると警告した。タス通信が伝えた。

EAS外相会議や続いて開いたASEAN地域フォーラム(ARF)の閣僚級会議は日米や中ロ、北朝鮮など政治体制が違う国が集い、地域の安全保障などの課題を協議する枠組みだ。毎年ASEANの議長国で開催し信頼の醸成と紛争の未然の防止をめざしてきた。

今回はロシアのウクライナ侵攻に、台湾海峡での緊張が重なり、当事者間の非難合戦となった。対話を通じた安保環境の向上という本来の目的の達成は難しくなっている。

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