フィリピン、外国人の入国制限を緩和 ビザ保有者対象
【マニラ=遠藤淳】フィリピン政府は5日、新型コロナウイルス対策で導入した外国人の入国制限措置を緩和すると発表した。2020年3月20日までに発行されて現在も有効なビザ(査証)を保有する外国人が対象。ビジネス関係者の入国を認め、停滞する経済活動の再開を徐々に進める。

2月16日から適用する。入国から6日目にPCR検査を受け、結果にかかわらず自主的に14日間隔離することなどが条件となる。既存のビザ保有者のほか、特例措置として短期滞在ビザが発行された外国人の入国も認める。
フィリピン政府はコロナ感染抑止策として2020年3月中旬に外国人の入国を全面的に禁止。同年10月に経済特区内の企業で働く外国人の入国を認めた。だが、一時帰国した人の多くが依然として再入国できず、ビジネスに支障が出ているとの声が日本企業などの間で高まっていた。
長期にわたる外出・移動制限の影響でフィリピンの経済は低迷している。20年の実質国内総生産(GDP)は前年比9.5%減り、統計のある1947年以来、最大の落ち込みとなった。国家経済開発庁のチュア長官代行は「コロナの封じ込めを続けながら経済を立て直し、22年半ばまでにコロナ前の水準まで回復させたい」と話す。
フィリピンの5日時点の新型コロナの累計感染者数は53万3587人、死者数は1万1058人で、1日の新規感染者数は1000~2000人で推移する日が増えている。世界保健機関(WHO)などが主導する国際的な枠組み「COVAX」を通じて、2月中にも米ファイザー製ワクチンが届く見通しで、医療関係者や高齢者から接種を始める予定だ。

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