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米台が半導体不足で初の協議、供給網の早急な整備で協力

(更新)
米国は台湾のTSMCなどに半導体の供給増を求めている(2021年1月)=ロイター

【台北=中村裕】米国政府と台湾当局は5日、米台の経済的な連携強化を目的にした初の協議「経済対話」を開いた。世界的に不足が深刻化する半導体をテーマとし、サプライチェーン(供給網)を新たに再構築し、米台が協力することで一致した。参加した米企業・業界団体は米政府に対し、早期の環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰や、米台の自由貿易協定(FTA)の締結も求めた。

協議はオンライン形式で開いた。米台当局の関係者のほか、米半導体大手のクアルコムや半導体生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の幹部、業界団体など約100人が出席した。

台湾の経済部(経済省)の王美花・経済部長(経済相)が協議後、台北市内で記者団の取材に応じた。最も深刻な車載用の半導体の不足問題について、状況は依然として厳しいが「(台湾の米側への協力に対し)米政府と米自動車業界の団体から、深く感謝する」との発言があったことを明らかにした。具体的な協力内容への言及は控えた。

米国は現在、米フォード・モーターなど大手が軒並み半導体不足に陥り、減産を余儀なくされている。昨年末から政府を通じ、ドイツや日本と同様に台湾当局に増産要請を繰り返し求めていた。

協議では「米台は(半導体など多くの分野で)相互依存の関係にある」(TSMC幹部)とも指摘した。そのうえで米台は今後、半導体不足などを引き起こさない安全なサプライチェーンの早急な整備のほか、研究開発や人材育成、知財保護でも協力し、経済連携を深めるべきだとの認識で一致した。

さらに米国企業は、米政府に対し、TPPの早期復帰も強く求めた。米国のTPPの早期復帰が、連携を強める台湾のTPP加盟にもつながるとした。

半導体不足を巡っては、製造できる企業が世界で限られることに起因し、特に米国の危機感が強まっている。先端品を製造できる企業は事実上、世界で3社のみ。台湾のTSMC、韓国のサムスン電子、米国のインテルしかない。今回の経済対話でも、米国が先端の半導体を今後も確保し続けるため、TSMCを有する台湾をどこまで味方に付け、取り込めるかも一つの焦点だった。

経済対話は、米トランプ政権下の2020年11月、米台がワシントンで協議し、開催が決まった。半導体や高速通信規格「5G」など7項目の技術について、中国に依存した経済からの脱却や新たな安全保障の枠組みをつくることを目的とした。バイデン政権にも引き継がれ、今回が初開催で、半導体が主題となった。

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