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2021年全人代の政府活動報告要旨

 中国全人代の開幕式=5日、北京の人民大会堂(共同)

中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の第4回会議で、李克強(リー・クォーチャン)首相が5日に実施した政府活動報告の要旨は次の通り。

【2020年の回顧】新型コロナウイルスの感染対策で重要な成果を上げ、世界で経済のプラス成長を実現した唯一の主要経済国となった。20年の国内総生産(GDP)は2.3%伸びた。「脱貧困」の全面的な勝利を収め、(ややゆとりのある)「小康社会」の完成に向け決定的な成果を上げた。感染症対策での国際協力を支持し、世界の平和と発展を促進するため重要な貢献を果たした。

【過去5年の成果】70兆元(約1200兆円)に届かなかったGDPが100兆元を超えた。有人宇宙飛行や月面探査事業などで大きな成果を収めた。絶対的貧困の撲滅という非常に困難な任務を完遂した。金融リスク対応で重要な中間成果を得た。供給側の構造改革を推進した。国防・軍隊建設の水準が大幅に向上した。

【21~25年の第14次5カ年計画】発展の質・効率の向上に力を入れ、経済の持続的で健全な発展を保つ。労働生産性の伸び率がGDP成長率を上回るようにし、失業率を5.5%以内に抑え、物価水準の全般的な安定を保つ。科学技術の自立自強を国の発展の戦略的な支えとする。社会全体の研究開発(R&D)費を年平均7%以上増やす。産業基盤の高度化、産業チェーンの現代化、デジタル化の発展などを進める。

国内経済の循環体系をよりどころにして世界の投資をひき付ける「双循環(2つの循環)」を促進する。30年の温暖化ガス排出削減目標の達成に取り組む。GDP1単位当たりのエネルギー消費量と二酸化炭素(CO2)排出量をそれぞれ13.5%、18%引き下げる。住民1人当たりの可処分所得の伸び率がGDP成長率とほぼ一致するようにする。

【21年の経済目標】GDP成長率は6%以上とする。都市部で新規就業者数は1100万人以上とし、失業率は5.5%前後とする。消費者物価の上昇率は3%前後とする。

【財政】21年のGDPに対する財政赤字の比率は昨年よりやや低めの3.2%前後とし、感染症対策の特別国債の発行を終了する。財政支出総額を20年より増やし、雇用や民生を重点的に支援する。中央レベルの支出を引き続きマイナスの伸びとし、地方への一般的移転支出を20年より大幅に増やして7.8%増とする。

【減税・雇用】小規模な納税人に対する増値税の基礎控除額を月間売上高10万元から15万元に引き上げる。大型商業銀行の零細企業向けの包括融資を30%以上増やす。人員削減を抑えた企業に対して財政や金融などの政策支援を継続する。

【産業振興】中小企業向けのブロードバンドと専用回線の使用料金をさらに10%引き下げる。知的財産権の保護を強化する。国有資本・国有企業をより強く、より良く、より大きくする。国有企業の混合所有制改革を深化させる。プラットフォーム企業の革新発展と国際競争力の向上を後押しするとともに、独占の取り締まりを強化し、公平な市場競争環境を断固として守る。サプライチェーンの安定と改善を図る。

【内需拡大】自動車や家電などの高額消費の安定的増加を促す。プラットフォーム企業がサービス手数料を合理的に引き下げるように導く。21年は地方特別債を3兆6500億元とし、建設中の事業を優先的に支援する。中央政府の予算枠内の投資を6100億元とする。情報ネットワークなど新型インフラ整備に取り組む。都市部の古い住宅地の改築を5万3000カ所で新たに着工する。

【農業】食糧と重要農産物の安定供給能力を高める。食糧安全保障の要は種子と耕地にあり、核心技術の難関攻略に取り組む。食糧を生産する農家向けの助成金を安定させ、もみ米や小麦の最低買い付け価格を適度に引き上げる。

【市場開放・外交】外資参入を制限する分野を定めた「ネガティブリスト」の項目をさらに減らす。東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の早期発効、欧州連合(EU)との投資協定の調印を推し進める。中日韓の自由貿易協定(FTA)交渉のプロセスを加速させる。環太平洋経済連携協定(TPP11)への加入を前向きに検討する。米国との平等かつ互恵的な経済・貿易関係の深化を推し進める。

【環境】引き続き外国から固形廃棄物の輸入を厳しく禁じる。2030年までの温暖化ガス排出量のピークアウトに向けた行動計画を策定する。温暖化ガスの排出権取引市場の建設を急ぐ。グリーン・低炭素発展に向けた金融支援特別策を実施する。

【民生】感染症のワクチンの研究開発と無料接種を推進する。住民基本医療保険の1人あたりの財政補助基準を30元引き上げる。土地供給の増加などで賃貸住宅市場を発展させ、若者などが抱える住宅難の解消に最善を尽くす。

【国防】軍隊創設100周年の奮闘目標に照準を合わせて、軍隊統治を推し進める。安全保障リスクに対応し、国家の主権・安全・発展の利益の堅守のための戦略能力を高める。

【香港・台湾】「一国二制度」の方針を引き続き貫徹する。香港特別行政区の憲法と基本法の実施にかかわる制度をより完全なものにし、国家安全を維持するための法律と執行メカニズムを実施する。香港に対する外部勢力からの干渉を断固として防ぎ、食い止め、長期的な繁栄と安定を保つ。台湾については平和的な発展と祖国の統一を進め、「台湾独立」をもくろむ分裂活動を食い止める。

(広州=川上尚志、大連=渡辺伸)

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