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中国、党大会へ安定成長に腐心 減税・還付45兆円

習氏、3期目へ布石

【北京=川手伊織】中国は秋の共産党大会をにらみ、景気下支えに動く。2兆5000億元(約45兆円)の減税や税の還付を実施して企業の負担を軽減するほか、追加利下げにも含みを残すなど財政や金融政策をフル活用する。習近平(シー・ジンピン)党総書記(国家主席)は経済を安定させ、党大会での3期目続投を確実にしたい意向とみられる。

李克強(リー・クォーチャン)首相は5日、所信表明に当たる政府活動報告で、2022年の実質経済成長率目標を「5.5%前後」とした。21年の「6%以上」から引き下げた。

ただ国際機関やエコノミストの見通しよりは高い。国際通貨基金(IMF)は1月の最新予測で4.8%とはじいており、相対的に中国政府の目標設定は強気に映る。

背景にあるのが、秋に控える5年に1度の党大会だ。習氏は党大会で異例となる3期目入りを目指している。それだけに、庶民の不満を高めかねない景気の停滞は是が非でも避けねばならない。李氏は「速やかに持てる政策ツールを活用し、経済の安定成長を確保する」と述べた。

2兆5000億元に及ぶ企業の負担軽減額のうち、1兆5000億元は税の還付だ。製造業や中小零細企業の手元資金を増やし、投資を促す。21年は減税などによる新規の負担軽減が1兆元超だった。地方のインフラ債の発行枠も3兆6500億元と、前年と同じ水準を保った。伝統的な景気刺激策である公共事業で地方経済を支える。

一般会計にあたる一般公共予算ベースの歳出は前年を8.4%上回る。金額でみると2兆元超増え、増加額は中国経済が停滞した15年以来の大きさだ。

景気をてこ入れするのは、昨年後半にかけて資源高や不動産規制の強化で経済が停滞した影響も大きい。21年10~12月の前年同期と比べた実質経済成長率は4・0%にとどまった。新型コロナウイルスの打撃から復調し始めた20年4~6月(3・1%)以来の低さだった。

財政と並び、金融政策でも景気配慮の姿勢を鮮明にする。李氏は「緩和的な金融政策の実施を強化する」と述べた。1月まで2カ月連続で行った利下げの追加実施にも含みを残した。税の還付とともに企業の資金繰りにゆとりを持たせる狙いがある。

インフレ圧力の高まりで米欧などは利上げモードに入っている。対照的に、中国の消費者物価指数(CPI)は消費の停滞や政府の価格統制で伸びが高くない。こうした点も金融緩和による景気下支えをしやすくしている。

バブル抑制を目的に強めた不動産規制も微修正する。政府活動報告は「住宅は住むものであって投機対象ではない」という従来方針を盛り込んだ。一方、中低所得層向け住宅開発のてこ入れなどを念頭に「新たな成長モデルを模索する」とも強調した。不動産業以外の産業基盤が弱い地方都市も多く、規制強化による地方の疲弊を意識したとみられる。

政策総動員で安定成長の実現に腐心するが、リスクも多い。新型コロナのまん延がなお不安要因として残るほか、資源価格の高止まりは価格転嫁が難しい中小零細企業の利益を圧迫しやすい。ウクライナ情勢の混乱が拍車をかける恐れもある。李氏は「国内外の情勢を総合的に検討すると、今年の経済成長が直面するリスクは顕著に増えている」と認めたうえで「必ず乗り越えないといけない」と述べた。

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