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フィリピン外相「うせろ中国」 南シナ海ガス田に逆風

中国を強く非難したフィリピンのロクシン外相=ロイター

【マニラ=志賀優一、クリフ・ベンゾン】フィリピンが自国の排他的経済水域(EEZ)だと主張する南シナ海の海域で多数の中国船が停泊を続ける問題を巡り、両国の緊張が高まっている。フィリピンのロクシン外相が「うせろ中国」と発言。中国は反発し、フィリピンがEEZ内で計画する天然ガス田開発にも逆風が吹く。

「我が友、中国よ。どうすれば丁寧に説明できるだろうか。そうだな、うせやがれ」。ロクシン氏は3日、退去しない中国船への怒りをツイッターにこう投稿した。

この投稿は外交で通常は使わない侮辱表現を含んでいた。中国外務省の汪文斌副報道局長は4日の記者会見でロクシン氏を念頭に「フィリピン側の特定の個人には、基本的なマナーを守ることと立場に見合った言動を望む」と批判した。

ロクシン氏の不適当な表現については「上司」のドゥテルテ大統領らもたしなめた。ロクシン氏は4日「王毅外相を傷つけたなら謝る」と謝罪した。

フィリピン政府は3月7日、西部パラワン島の西に位置する南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国船が停泊していることを確認した。EEZと主張する海域で、約220隻が集まっていた。6日の現地報道によると、なお多数の中国船が停泊している。中国側は「悪天候を避けた漁船だ」と主張するが、フィリピン側は乗組員に「民兵」が多数、含まれていると考えている。

問題の長期化はフィリピンにとって痛手だ。ドゥテルテ政権に批判的だとされる同国のカルピオ元最高裁判事は日本経済新聞に「(中国との対立が続けば)フィリピンのエネルギー安全保障に(悪い)影響を与えかねない」と指摘した。

南沙諸島の周辺にはマランパヤ天然ガス田がある。北部ルソン島のエネルギー消費の3割を支えるが、今後数年で枯渇するといわれる。フィリピン側はEEZで新たなガス田を探査、開発する考えだ。だが、中国はフィリピンが主張するEEZを認めていないようにみえる。中国は南シナ海全域で、事実上の主権を主張している。フィリピンがガス田開発を進めた場合、何らかの妨害を企てる可能性があるとの指摘だ。

ドゥテルテ氏も「中国が(フィリピンのEEZで)石油や鉱物の開発を始めた場合には行動に出る」と述べ、軍艦を派遣する意向を示してきた。一方、経済や新型コロナウイルスのワクチン供給では中国の支援が必要で、対中姿勢は強硬なだけではない。

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