金与正氏「対決なら核使用」 韓国をまた威嚇

【ソウル=細川幸太郎】北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹で、朝鮮労働党副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏の談話を報じた。与正氏は「南朝鮮(韓国)が軍事的対決を選択するなら、我々の核戦力は任務を遂行する」と威嚇した。
談話は4日付。与正氏は2日にも韓国国防相が北朝鮮への先制攻撃について言及したことを受けて国防相を名指しで罵倒する談話を出していた。
4日の談話文は2日の約3倍の長さで、韓国側の自制を促す内容も含まれた。「南朝鮮が我々の主敵でない」とし、「双方の軍隊が互いに戦えば、民族全体が半世紀前(の朝鮮戦争)以上に深い傷を負うことになる。我々はそのような戦争に反対だ」と主張した。
与正氏は「核保有国に対する先制攻撃は狂気の妄想だ」とした上で「我々は南朝鮮を狙って銃砲を1発も撃たない。互いに戦ってはならない同じ民族だからだ」と強調した。
与正氏が立て続けに談話を発表するのは、4月にも実施される見通しの米韓合同軍事演習をけん制する狙いもありそうだ。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。