LG電子、自動運転車のコンセプトモデル公開 米CES
【ラスベガス=佐藤浩実、ソウル=細川幸太郎】韓国LG電子は4日、自動運転車のコンセプトモデルを公開した。ワンボックスタイプの車内で仕事や運動をし、映画を見るといった利用方法を提案。自動運転の進化に伴い、車を移動手段から生活空間へと変革していくとした。LGは車載分野に力を入れており、ディスプレーや車内設備の販売につなげる狙い。
世界最大のテクノロジー見本市「CES」で、次世代車のコンセプト「LGオムニポッド」を公開した。映像では、仲間と一緒にキャンプに出かけて大画面で映画を楽しむ場面や、ソファで眠りにつく場面などを紹介した。LGは「顧客は次世代車を移動する個人空間として活用でき、どこでも家にいるような安心感を得られる」とした。
登壇した曺周完(チョ・ジュワン)最高経営責任者(CEO)は「LGが家電で培った利便性をモビリティー分野に拡張し、自宅と車内をシームレスにつなげるよう革新を続けていく」と話した。

2021年7月にスマホから完全撤退したLG電子は、主力の白物家電やテレビのほかに車載部品を成長の柱と位置付ける。15年の部門設立から6年で売上高は7000億円規模に育っている。
既に現代自動車とは車載用家電で協業する。天井部分や壁面に搭載する有機ELテレビのほか冷蔵庫やコーヒーメーカーといった車内空間を快適に過ごす家電を両社で開発している。
電気自動車(EV)向けに車部品世界大手のマグナ・インターナショナルと駆動部品の合弁会社を設立。白物家電で培ったモーターとインバーター技術をもとにEV部品で存在感を高める。さらにLGはグループ内に車載電池世界2位のLGエネルギーソリューションを持ち、ディスプレーや電子部品も手掛けている。
コンセプトカーなどの構想を実現するため、スタートアップ企業との連携を強める方針も示した。21年に米シリコンバレーに新設した拠点を通じて、EVやスマートホーム、ヘルスケア分野の企業への投資や協業を進める。
米ラスベガスの会場で報道陣らの取材に応じた拠点の代表者は「LG電子の外にいる賢く革新的な人たちと協力し、ウィン・ウィンの状況を作り上げる」と意気込んだ。
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