シンガポール航空、旅客数回復で黒字転換 7~9月
(更新)

【シンガポール=谷繭子】シンガポール航空が4日発表した2022年7~9月期決算は、最終損益が5億5700万シンガポールドル(約582億円)の黒字だった。前年同期は4億2800万シンガポールドルの赤字だった。新型コロナウイルスの制限緩和で、シンガポール発着の国際線需要が大幅に回復した。年末年始に向けて需要は好調だが、景気減速の懸念が残る。
22年7~9月期の売上高は44億8800万シンガポールドルと、前年同期の3倍近くに伸びた。旅客数が630万人と14倍に増え、座席稼働率も87%と高水準だった。燃料費の上昇でコストが増えたが売り上げの伸びで吸収し、営業利益は6億7800万シンガポールドルと過去最高を更新した。
同社はコロナ禍の資金不足を避けるために、20年に35億シンガポールドルの10年物転換社債型新株予約権付社債を発行した。収益の回復を受けて、12月8日に償還する。まだ21年に発行した社債が残るが、一部を繰り上げ償還することで財務を改善させる。
日本や台湾、香港などでコロナの入国制限が緩和されており、年末から23年1月下旬の旧正月にかけて事前予約は好調という。ただ、燃料費の高騰やインフレ、世界的な景気減速などが、旅客・貨物需要に悪影響を与える恐れがあると懸念している。
関連企業・業界
業界: