LG電子、白物家電をアプリで機能更新 洗濯機や冷蔵庫
【ソウル=細川幸太郎、ラスベガス=古川慶一】韓国LG電子は4日、自社アプリを通して白物家電の機能を更新する新サービスを始めると発表した。洗濯機や冷蔵庫などの高級家電シリーズに適用する。米国を皮切りに海外にも同サービスを広げて、ソフト更新によって販売後の継続課金モデルを模索する。
世界最大のテクノロジー見本市「CES」で、白物家電の新コンセプト「ThinQ UP(シンクアップ)」を発表した。LG電子は「顧客の好みや生活スタイルの変化に合わせて機能を更新・カスタマイズする」としており、利用者は専用アプリを通してソフトウエアをダウンロードして家電の機能を追加する。
洗濯機であれば水量やドラム回転を調整して洗濯物に最適な洗い方を追加できる。ペットを飼い始めれば消臭効果を重視した洗い方を追加するといった機能更新を想定する。調理家電のレシピを拡充するといった活用方法も検討する。
記者向けイベントに登壇したLG電子の曺周完(チョ・ジュワン)最高経営責任者(CEO)は「生活家電分野で革新の新たなページを開いていく」とし、「より良い暮らしを実現するため、これまでなかった顧客体験を提供する」と強調した。
曺CEOは「どんな会社も1社ではすべてをなし得ず、全世界の戦略的パートナーとの協業を模索する」とし、米シリコンバレーにスタートアップ企業などとの連携を担う事業部門を設立したことも明らかにした。

LG電子は同日、車載部品事業で提携関係にあるカナダの車部品大手マグナ・インターナショナルと自動運転技術でも協業すると発表した。両社は2021年に電気自動車(EV)の駆動部品事業を統合し、韓国や中国、メキシコで専用工場を運用・新設している。新たに運転支援システムなどソフトウエア分野に協業を広げる。
21年にスマートフォン事業から完全撤退したLG電子は主力の白物家電とテレビに加えて車載部品を成長の柱と位置づける。EV時代の到来を機にインフォテインメントに限らず、駆動部品や自動運転技術においても協業を通して同分野で存在感を高めようとしている。
世界最大のテクノロジー見本市「CES」。2023年は1月5日(米国時間)にアメリカ西部ラスベガスで始まり、ソニーやサムスンなどIT関連企業が出展しました。最新ニュースをまとめました。
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