マカオのカジノ収入、18年ぶり低水準 2022年51%減

【香港=木原雄士】マカオ政府がまとめた2022年のカジノ収入は421億パタカ(約6900億円)と、21年に比べて51%減った。新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」政策の影響で主力の中国本土からの観光客が落ち込んだ。マカオのカジノ収入は04年以来、18年ぶりの低水準だった。

カジノ収入はコロナ流行前19年の14%の水準にとどまった。21年は感染状況が落ち着いてやや持ち直していたが、22年はコロナ関連の規制がたびたび強化され、カジノ客が減少した。22年1~11月の中国本土からの観光客は約480万人と前年同期比24%減った。19年は中国本土から通年で2700万人あまりがマカオを訪れていた。
中国のゼロコロナ政策見直しを受けて、マカオも入境時の隔離を撤廃するなど緩和を始めた。香港メディアによると、22年12月31日には約2万8000人の観光客がマカオを訪れた。米モルガン・スタンレーは「中国や香港から通常の旅行ができるようになるため、1月下旬から回復が加速する」と予想する。
マカオ政府は22年12月に金沙中国(サンズ・チャイナ)など6社のカジノ運営免許を更新した。6社は観光施設など非カジノ分野を中心に今後10年で1188億パタカを投資する計画だ。