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米破産法申請のフィリピン航空、運航継続も再建険しく

【マニラ=志賀優一】フィリピン航空は4日、米国で連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。金融機関などからの資本注入を受け、運航を継続したまま経営再建を進める。東南アジアは新型コロナウイルスの感染拡大が続き旅客需要の持ち直しが不透明で、再建への道は険しい。

フィリピンを代表する航空会社だが渡航制限で旅客需要が急減するなど経営難に陥っていた。債権者などと協議していた経営再建計画にこのほど合意した。債権者が海外にもいるため米国で破産法適用を申請したが、フィリピンでも破綻や再建に関する法に基づく申請を進める。

ルシオ・タン会長は声明で「(再建)計画を支援してくれた関係者に感謝する。計画を通じて新型コロナの大流行という前例のない事態を克服する」と述べた。

同社の親会社PALホールディングス(HD)の負債総額は6月末時点で3000億ペソ(6600億円)で2020年12月期は718億ペソの最終赤字。破産法適用を申請したのは事業会社のフィリピン航空のみで、親会社は含まれていない。

フィリピン航空は再建に向け、20億ドル(2200億円)以上の債務削減で債権者と合意した。さらにフィリピン国内の金融機関などから約5億ドルの資本注入を受け、海外の投資家から1億5000万ドルを借り入れる。

再建計画では機材数の削減などに取り組む。運航は継続し、チケットやマイルも引き続き利用できる。マイル会員などの顧客基盤を活用し再建を目指す。需要回復に合わせて国内線、国際線ともに便数を増やす方針だ。

ANAホールディングスは19年にPALHDへ出資、全日本空輸とフィリピン航空は業務提携している。今回の破産法適用の申請を受けてANAは「提携関係の見直しや(フィリピン航空に)経営資源を注入することは考えていない」と回答した。

フィリピン航空の再建は険しい道となりそうだ。フィリピンでは新型コロナの累計感染者数が200万人を超え、東南アジアではインドネシアに次ぐ規模だ。フィリピン観光省のまとめによると、21年1~5月の外国人訪問者数は約4万6000人と前年同期比97%減少。渡航制限で旅客需要の持ち直しにはなお時間がかかりそうだ。

東南アジアの航空大手にとってコロナ感染拡大前から格安航空会社(LCC)との競争が激しく、コロナが経営難に拍車をかけた。タイ国際航空は経営破綻するなど厳しい状況が続く。

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