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台湾・蔡総統、欧州議会代表団と初会談 協力強化で一致

(更新)

【台北=中村裕】台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は4日、台北市内で欧州連合(EU)の欧州議会の代表団と会談した。蔡氏は「欧州議会の公式訪問は初めてで大変有意義だ」と、謝意を示した。代表団の訪台は、台湾が中国から受ける圧力に理解を示し、対抗するのが最大の狙い。今後は共に協力関係を深めることで一致した。

代表団を率いるフランス選出の欧州議員、ラファエル・グリュックスマン氏は会談で「(中国からの圧力を受け続ける)台湾は孤独ではない。欧州は自由、法による支配、人間の尊厳を守るために台湾に寄り添い、立ち上がる」と述べた。訪台の目的は「EUも(しっかりと)台湾への支持を表明する時期に来たと考えた」と語った。

そのうえで同氏は、「中国から大きな圧力と攻撃にさらされながらも、台湾は驚くほどに民主主義を守り抜いてきた。台湾の成果は本当に尊敬に値し、欧州が学べる点が多い」と述べた。

これに対し、蔡氏も「欧州と民主的な同盟の確立に期待する。多くの課題に直面する台湾は、多くのパートナーを募っている」と語った。

会談では、中国を念頭に、偽ニュースが拡散される状況についても議論が交わされ、共闘する方向でも一致したという。

今回の会談に先立ち、台湾の呉釗燮・外交部長(外相)が約2年半ぶりに欧州を訪問した。10月29日にはEU本部のあるベルギー・ブリュッセルで欧州議会の議員と面談するなど、台湾と欧州の関係構築はここに来てスピードを速めている。

こうした欧州と台湾の接近に、中国は反発と警戒感を強めている。中国外務省の汪文斌副報道局長は4日の記者会見で欧州議会の代表団の台湾訪問について「強烈な不満と断固とした反対を表明する」と発言した。欧州議会側に厳正な交渉を申し入れたという。「欧州に誤りを正し、台湾の独立分裂勢力に誤った信号を送らないように促す」と強調した。

中国は欧州のつなぎとめにも必死だ。習近平(シー・ジンピン)国家主席が自ら、10月中旬以降、英独仏首脳に中国への支持や理解を呼びかけている。

習氏は10月13日にドイツのメルケル首相と、同26日にはフランスのマクロン大統領と、同29日には英ジョンソン首相と、矢継ぎ早に電話協議を行った。特にマクロン氏とは、中国とEUがハイレベルの対話を今後も続け、相互の信頼を深めるべきだと主張し、フランスとの関係強化も求めた。

さらに習指導部は、10月27~29日の日程で王毅(ワン・イー)外相をギリシャ、セルビア、アルバニア、イタリアの4カ国に派遣し、中国への支持と、関係強化を念押しする行動にも出た。

中国の行動の背景には、米豪などの主要国が対中国で連携を進めるなか、その国際的な包囲網が「台湾問題」を通じ、今後、欧州にも大きく広がることを警戒していることがある。

特に、中国と経済的な結びつきが強いドイツをはじめ、欧州の主要国はこれまで、中台のどちらを支持するかなどの問題で、明確な態度を示してこなかった。中国はそこにまだ、つなぎ留めの余地があるとみて、欧州へのアプローチを強めている。

EUが今後、台湾問題にどこまで関与を深めるか。EU加盟国もまだ一枚岩ではないだけに、米国もEUの動向を注視している。

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