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中国SMIC、上海に半導体新工場 約1兆円投資

(更新)
上海に新工場を建設するSMIC(同社提供)

【北京=多部田俊輔】中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は3日、上海市に新しい半導体工場を建設すると発表した。投資額は88億7000万ドル(約9800億円)。習近平(シー・ジンピン)指導部は米国企業からの輸入が多い半導体の国内生産の拡大をめざしており、SMICは半導体の生産能力を増強する。

上海市政府直属で貿易や投資などの改革を進める自由貿易試験区の管理委員会などと共同出資で新工場を建設、運営する新会社を設立することで合意した。新工場は直径12インチのシリコンウエハーを月10万枚生産する能力を持つ。

新会社の資本金は55億ドル。出資比率はSMICが51%以上、上海市政府側は25%以下で、ほかの投資家からの出資も募集する。新工場の建設開始時期や稼働時期などについては明らかにしていない。

新工場で生産する半導体は回路線幅が28ナノ(ナノは10億分の1)メートル以上の製品。米商務省は2020年12月、安全保障上問題がある企業を並べた「エンティティー・リスト」にSMICを加え、10ナノメートル以下の半導体生産に必要な製造装置などについて許可を原則出さない方針を出した。SMICは28ナノメートル以上の技術を採用することで制裁の回避を狙うとみられる。

ただ、趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)は8月の決算説明会で、「28ナノと14ナノの設備の(輸入にかかわる米当局からの)許可取得は遅れており、サプライヤーと協力して努力している」と述べており、新工場が計画通り稼働するか不透明な要素もある。

習近平指導部は15年に発表したハイテク産業育成策「中国製造2025」で半導体産業を重点産業に位置づけた。20%未満とされる半導体の国内自給率を25年をめどに70%まで引き上げる目標を掲げる。

21年からの5カ年計画で半導体を戦略的な重点科学分野に位置づけ、外国からの制裁に影響されない独自サプライチェーン(供給網)の構築をめざす。高い成長を続けるSMICは中国の半導体業界をけん引する企業だ。

SMICは同日、経営トップの周子学董事長が健康上の理由で退任すると発表した。指名委員会のトップからも退く。中国メディアによると、周氏は1956年生まれ。現在の工業情報化省で電子産業畑を歩み、2015年からSMICの董事長を務めていた。

周氏は政府との太いパイプを持ち、SMICの高い成長を支えた。最近は米中のハイテク分野の対立のなかで成長の持続に努めていた。董事長などは高永崗・最高財務責任者(CFO)が代理を務めるとしている。

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