インド農民デモ、グレタさんら相次ぎ投稿「農家と団結」
【ニューデリー=馬場燃】インドで農産物の自由化に反対する農家のデモを巡り、世界の著名人がツイッターでコメントを寄せ始めている。米人気歌手のリアーナさんは2日、インド政府が抗議している農家に対しインターネットを遮断したという米CNNの記事を引用したうえで「なぜ私たちはこれについて議論しないのか」と指摘した。
スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさんも「私たちはインドの農家のデモと団結している」と投稿した。インド外務省は3日、著名人のコメントについて「的確さや責任が伴ったものではない」との声明を出した。
農家のデモは2020年9月に施行された農業の取引や契約を巡る新法に関連したものだ。20年11月26日から始まり、2カ月以上続いている。抗議者は数十万人の規模に膨らんでいるとみられる。
従来は農産物の販路が限られ、主に地域の卸売市場を売買に使わざるを得なかったが、新法で販路に制限なく自由に取引できるようになった。農家は取引自由化で従来の流通経路が崩れると、大手スーパーなどの民間業者から農産物を安く買いたたかれて収入が減ると懸念している。
1月26日には農家と警官隊が衝突して死者も発生した。それ以降にインド政府は農家が抗議を続けている場所のネットを遮断する措置をとった。農家と政府は解決に向けた協議を重ねているが、妥協点を見いだせないままだ。