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フィリピン、法人税30%から25%に 製造業育成狙う

(更新)

【マニラ=遠藤淳】フィリピン議会は3日、法人税減税を柱とする「企業復興税優遇法案」を承認した。ドゥテルテ大統領の署名を経て発効する。現在30%と東南アジアで最も高い法人税率を25%に引き下げる。中小企業向けの法人税は20%にする。製造業の育成につなげ、新型コロナウイルス禍で低迷する経済の起爆剤とする考えだ。

フィリピンは法人税引き下げで投資拡大を狙う(2020年2月、マニラ港)=山本博文撮影

ドゥテルテ政権は2018年1月に個人所得税を引き下げ、自動車などの物品税を引き上げる税制改革を実施した。企業復興税優遇法は税制改革の第2弾。東南アジアの他の国の法人税率は17~25%で、30%のフィリピンは突出して高かった。周辺国並みに下げて競争力を高め、後れを取る製造業などの育成を促す。中小企業向けの法人税は20%に引き下げる。

様々な税優遇措置も導入する。人件費や研究開発費、人材育成費用などに対する税控除を拡大。企業の集中するマニラ首都圏の外に本社を移転した企業は法人税を3年間免除し、地方振興につなげる。

法案をまとめたサルセダ下院議員は「法案を議論していた3年間、企業は様子見を続けていたが、ようやく投資の門戸が開かれる」と強調。今後10年で国内外の企業の投資が12兆ペソ(約26兆円)以上増え、180万人の雇用が創出されるとの見方を示した。

一方、法人税率の引き下げの代わりに、輸出企業に半永久的に与えていた税優遇は縮小する。この代替措置として、外資を中心とする輸出企業や重要な国内企業については、法人税を4~7年間免除し、その後は通常より低税率の特別法人税を10年間適用する。日本企業などから反発を受けており、税優遇を最長17年間認めることで譲歩した形だ。

税制改革の過程では、法人税率を最終的に20%まで引き下げるとした議論もあったが、実現しなかった。フィリピン日本人商工会議所幹部は「法人税率が東南アジアで最も高い水準に並ぶだけで、コロナ禍の影響もあるなか、外資の投資拡大にはつながらないだろう」と話す。法人税の大幅な引き下げで、外資系企業よりも地場財閥が恩恵を受けるとの見方もある。

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