オーストラリア総選挙、5月21日に 政権交代が焦点
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【シドニー=松本史】オーストラリアのモリソン首相は10日、連邦議会下院を解散し総選挙を5月21日に実施すると発表した。最新の世論調査では、与党・保守連合(自由党と国民党)の支持率は最大野党・労働党を下回っており、約9年ぶりの政権交代が焦点となる。
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豪州では上下両院の同日選挙が一般的だ。下院の任期(3年)が切れるのは7月だが、6月末に任期切れとなる上院の約半数の改選に合わせて、今回の総選挙を実施する。
モリソン氏は10日に記者会見し「この選挙は(与党によって達成された)強い経済か、それを弱体化させる労働党かを選ぶものだ」と述べた。保守連合は2013年の総選挙で勝利し政権に就いた。ただその後、自由党の内紛で首相が2回交代。足元では新型コロナウイルスの変異型への対応などに不満が高まり支持率は落ち込んでいる。
豪紙オーストラリアンが4月11日に報じた世論調査では、二大勢力だけで測った場合の支持率は保守連合が47%、労働党が53%だ。モリソン氏は3月下旬に発表した2022会計年度(22年7月~23年6月)の連邦政府予算案で、ガソリン税の引き下げや低・中所得者層への減税など家計支援を打ち出し巻き返しを図る。一方、労働党のアルバニージー党首は足元で進む物価高に対し、保育料や電気料金の引き下げで対応すると訴える。
4月10日時点の下院(定数151)の勢力は保守連合が75、労働党が67、無所属や少数政党が8。労働党議員が2月に辞職し、1議席は空席となっている。