中国、香港との往来規制を全面撤廃 6日から

【香港=木原雄士】中国国務院(政府)香港マカオ事務弁公室と香港政府は3日、新型コロナウイルス対策で実施してきた中国本土と香港の往来規制を6日から全面的に撤廃すると発表した。1日あたりの入境人数の上限をなくし、PCR検査も不要とする。企業活動や観光による往来を促して、経済押し上げにつなげる。
中国本土・香港間の行き来は3年近く制限されてきたが、1月8日から隔離なし往来が認められた。春節(旧正月)休暇後も感染状況が落ち着いているため、人数制限や事前予約などの規制をなくす。広東省深圳市と香港が陸続きで接する羅湖などの検問所もすべて再開する。
香港政府の李家超(ジョン・リー)行政長官は3日の記者会見で「香港と本土の完全な往来再開によって、意思疎通や経済活動がさらにやりやすくなる」と指摘した。香港はワクチンを接種していない外国人の入境も認める。
感染が広がる前は中国本土から香港への訪問者は1日あたり10万人を超えていた。コロナ規制で往来が厳しく制限され、中国本土に近い香港の強みが損なわれていた。香港政府は観光客を呼び戻す大規模なキャンペーンを始め、中国本土からの旅行者にも飲食などに使えるバウチャーを配布している。