インドネシア4~6月GDP 5.4%増 輸出堅調続く
(更新)

【プノンペン=地曳航也】インドネシア中央統計局が5日発表した2022年4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価の変動を除いた実質で前年同期に比べて5.44%増えた。資源高を受け輸出が堅調だった。5四半期連続のプラス成長で新型コロナウイルス禍からの経済回復は力強い。
GDPの約5割を占める家計消費は前年同期比で5.51%、同じく約3割を構成する投資は3.07%伸びた。輸出は19.74%増加した。2月下旬にロシアがウクライナを侵攻したあおりで、世界の商品価格が軒並み上昇していることに伴い、主要な輸出品目が伸びた。

インドネシアの6月の輸出額は前年同月比で41%増の260億9210万ドル(約3兆4700億円)だった。政府が国内流通分の確保のため講じていたパーム原油と関連製品の禁輸を5月下旬に解除した影響で、5月に比べても21%増えた。石炭の輸出も欧州などの需要を取り込み好調だった。
足元の懸念材料は忍び寄るインフレだ。中央統計局が1日発表した7月の消費者物価指数は前年同月比で4.94%上昇した。15年10月以来の上昇率で、食料や燃料の高騰が響いている。インドネシア中央銀行は22年の成長率を4.5~5.3%と見通し、利上げも視野に入れている。
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