テンセント初の減収 4~6月の売上高3%減、広告に逆風 - 日本経済新聞
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テンセント初の減収 4~6月の売上高3%減、広告に逆風

【広州=比奈田悠佑】中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)が17日発表した2022年4~6月期決算は、売上高が前年同期比3%減の1340億元(約2兆6500億円)だった。減収は04年に香港証券取引所で上場して以来初めて。新型コロナウイルスの再流行と当局の規制強化がネット広告事業などの逆風となっている。

売上高の1割強を占めるネット広告事業の収入が18%減と大きく落ち込んだ。純利益は56%減の186億元。2四半期連続の前年割れとなった。

同社は広告事業について「ネットサービスや教育、金融の領域で需要低迷が顕著だ」と説明する。22年前半は上海などが都市封鎖に陥るなか、経済活動が停滞し企業の広告出稿意欲が低下した。

同社の主力で売上高の3割を占めるゲーム事業の収入は国内、海外向けともに1%減だった。国内は新作発売に関わる当局審査の厳格化といった逆風を受けており、海外も「巣ごもり消費」の失速で振るわなかった。

フィンテックや企業向けITサービス事業の収入は伸びたが、1%増にとどまった。新型コロナ対策の移動制限の影響で、商業施設でのスマホ決済利用が抑制された。

22年6月末時点でのグループ従業員数は11万人強で、3月末に比べて5%減少した。21年3月末から同6月末にかけての6%増と対照的で、事業環境の悪さに伴って人員規模を調整した可能性がある。

今後、収入面での成長力を取り戻すには海外展開などの一段の加速が求められる。利益面ではサービスの開発やプロモーションに関わるコスト構造の改革が欠かせない。ただ、様々なネットサービスを運用するためのデータセンター機器の調達費など自社で制御しきれない部分も大きく、事業環境の先行きはなお不透明だ。

テンセントはこれまでゲームやSNS(交流サイト)など多くのネットサービスを開発しながら成長を維持してきた。競争環境の変化や当局による業界への引き締めに備えて海外の有望企業への出資を積み上げるなどリスクを分散してきたが今回、新型コロナや広範囲に及ぶ規制強化に見舞われついに減収となった。

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