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気候変動巡り米と対話模索 習指導部

中国外交担当トップが秋波「ウィンウィンの関係」

 2011年8月の訪中時、北京での歓迎式典に臨むバイデン米副大統領(当時、左)と中国の習近平国家副主席(当時)=共同

【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部がバイデン米政権と温暖化対策を巡る問題で連携をしようと模索している。中国のウイグル族や台湾などを巡る問題では隔たりが大きく、数少ない対話の窓口になりうるとみているためだ。

中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は2日、米国の企業家らを前にオンラインで講演した。「中米は気候変動や新エネルギーの開発などについて互恵協力を展開しよう」と呼びかけた。

米ホワイトハウスは1月下旬、温暖化ガス主要排出国の首脳会合を4月22日に開くと発表したばかり。その際、バイデン大統領は「他国と協力し気候変動の影響に最も脆弱な人々を支援していく」と述べた。2日の楊氏の発言が、バイデン政権の動きに対応したものであるのは間違いない。

中国は2020年の秋ごろから米中対話の呼び水として気候変動問題への取り組みを提案するようになった。習氏は9月に国連総会の一般討論演説で60年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする目標を表明した。

環境問題に関心の高い欧州を引き寄せると同時に、バイデン氏が米大統領選で勝った場合に備えておく狙いがあったとみられている。

楊氏はバイデン政権に「(中米)関係を再び予測可能で建設的な軌道に戻すのは(中米の)共通の責務だ」と話した。「中国は米国とともに努力して、相互を尊重するウィンウィンの関係を推進したい」とも語った。

中国が米側に話し合いをさかんに呼びかけるのは「バイデン政権の対中政策がまだ完全に固まっていない」(外交を専門とする北京市の大学教授)とみているためだ。

習氏は1月25日の世界経済フォーラム(WEF)の演説で「新冷戦や制裁は世界を分裂に向かわせ、対立させる」と述べた。その直後にサキ米大統領報道官が中国へ「戦略的忍耐を持ちながら臨みたい」と述べたことも、中国には対話を探る好機に映る。

もっとも中国側の思惑通りに米中の緊張が緩和に向かうかは見通せない。中国が最も重視する「核心的利益」に位置づける台湾周辺では激しいつばぜり合いが続いているためだ。

1日には中国人民解放軍の対潜哨戒機「運8」1機が台湾南西部の防空識別圏に侵入した。中国軍機による侵入は20年後半から常態化し、最近は同じ日に2度も侵入するなど活発な動きを見せる。

1日には3機の米軍機も台湾南西部の防空識別圏に入ったことも確認された。バイデン政権も台湾との緊密な関係を維持する意向を鮮明にしており、緊迫した状況はトランプ前米政権と変わっていない。

楊氏は「(中国大陸と台湾は一つの国とする)一つの中国の原則を厳格に順守すべきだ」と指摘した。香港やチベット、新疆ウイグル自治区問題について「米国は介入するのをやめるべきだ」と語った。そうしなければ「中米関係と米国の利益は深刻に損なわれるだろう」と強調した。「核心的利益」を巡る問題では一歩も譲らない構えをみせた。

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