ベトナム、新国家主席にトゥオン氏 中国傾斜の可能性も
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【ハノイ=大西智也】ベトナム国会は2日、新たな国家主席にボー・バン・トゥオン共産党書記局常務(52)を選んだ。最高指導者のグエン・フー・チョン党書記長(78)の側近とされる。中国と関係が深いとされるチョン氏の側近が起用されたことで、米中との間でバランスをとっていたベトナムが中国寄りに傾斜する可能性もある。
国家主席はベトナム共産党で序列2位。前任のグエン・スアン・フック氏(68)は首相在任中の汚職事件の監督責任を問われ、1月中旬の臨時国会で解任されていた。フック氏は在任中、米欧などと自由貿易を推進していた。
一党支配のベトナムでは序列順に党書記長、国家主席、首相、国会議長の4人による集団指導体制を築いてきた。11年に書記長に就任したチョン氏が「反汚職運動」を進めながら、党と自身の権限を強化。21年の党大会で党規約の制限を超えて3期目に入っていた。
トゥオン氏は16人いる共産党最高指導部の政治局員の中で最も若い1970年生まれ。2016年に40代で政治局員に抜てきされた。主に共産党内で職歴を重ねた。2日、国会で「党、国家、人民から与えられた任務を遂行するために、懸命に努力する」と宣誓した。
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