インドネシア、サッカー場で観客が暴動 125人死亡

【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアの東ジャワ州マラン県のカンジュルハン競技場で1日夜、プロサッカーリーグの試合の後、一部の観客が暴動を起こし、警察官を含む125人が死亡した。国家警察が明らかにした。300人以上が負傷したという地元メディアの報道がある。
同州政府は一時、死者が174人に達したと表明するなど、犠牲者の確認をめぐり混乱した。同競技場では1日、地元のアレマFCとアウェーのペルセバヤ・スラバヤの試合があり、ペルセバヤが勝つと、敗戦に激高したアレマFCのサポーターが競技場のピッチになだれこんだ。
事態を収拾しようと、警備に当たっていた地元警察が催涙弾を発砲したところ、観客がパニックになって出入り口に殺到し、圧死や窒息死する人が多数出た。当時、競技場では4万人の観客が試合を観戦していた。地元メディアは日本人選手2人も出場していたと報じた。
在インドネシア日本大使館によると、日本人の死傷者は確認されていない。ジョコ大統領は2日、国家警察長官に事故の経緯を徹底して解明するよう指示した。事故を起こしたプロサッカーの1部リーグの試合を当面見合わせることを同国サッカー協会に求めた。
インドネシアではサッカーは国民的に人気があるスポーツのひとつだ。地元メディアによると、競技場の事故としては、1964年にペルーの首都リマのエスタディオ・ナシオナル競技場で開催したサッカーの試合で、観客が乱入するなど混乱し、300人以上が死亡した例がある。