フィリピンペソ、対ドルで軟調 米利上げ、資金流出の恐れ
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フィリピンペソが対米ドルで軟調だ。1ドル=55ペソと約17年ぶりの安値圏で推移する。利上げを加速させる米国との金利差によって資金流出懸念が高まっている。燃料を輸入に頼る同国にとって世界的なエネルギー価格の高騰もペソ安の要因だ。

6月30日に就任したマルコス大統領は、前政権の大型インフラ整備計画を引き継ぐ方針を示している。今後も海外からの資材調達は続くとみられる。みずほ銀行アジア・オセアニア資金部マニラ室の榊雄一郎室長は56ペソ台への下落も見込み「大幅なペソ安が続くことは輸入コストを増加させインフレも継続させかねない」と警戒する。
新政権下で初めてとなるフィリピン中央銀行の金融政策決定会合が8月に予定されている。どの程度の利上げに踏み切り、ペソ安の抑制につなげるかが注目される。
(マニラ=志賀優一)
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1日までの1週間でノルウェーの通貨クローネが上昇した。中央銀行の大幅利上げを背景にクローネが買われた。
