エアアジアX、フェルナンデス氏がCEO代理を辞任

【シンガポール=谷繭子】マレーシアの格安航空会社(LCC)大手、キャピタルA傘下の中・長距離専門LCCであるエアアジアXは、トニー・フェルナンデス氏がグループ最高経営責任者(CEO)代理と取締役を10月31日付で辞任したと発表した。同氏は持ち株会社キャピタルAのCEOで、グループ全体の経営に専念するとみられる。ただエアアジアXの財務再建はまだ固まっておらず、懸念も残る。
前任のCEO辞任を受け、フェルナンデス氏は7月にCEO代理に就いていた。辞任について同氏は「休眠していたエアアジアXの再起という任は果たした」と述べた。同社は「円滑な経営の移行を固めた」と説明したが、後任は未発表だ。
エアアジアXは新型コロナウイルス禍で経営難に陥った経緯がある。経営再建に取り組むが、発表した増資など資金調達計画は実現しておらず、先行きには不安定要因も残る。同社は、マレーシア証券取引所から経営難の企業を対象とする「PN17」銘柄に指定された。1年以内に再建計画を提出しなければ上場廃止の懸念が高まる。エアアジアXは「再建計画は策定中」とし、提出期限の半年延期を申請したが、受理されたかは明らかにしていない。
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