米国の対アジア「外交的影響力」、中国下回る 豪分析

オーストラリアのシンクタンク、ロウイー研究所は5日、アジア太平洋地域の26カ国・地域を分析した2023年版「アジアパワーインデックス(API)」を発表した。米国は2位の中国を上回り首位を堅持したが、前回トップだった「外交的影響力」で中国に抜かれた。バイデン政権のインド太平洋地域での外交成果が振るわなかったことが主な理由という。
調査では各国・地域を「経済力」「軍事力」「外交的影響力」など8分野で分析し100点満点で評価する。

米国の総合点は80.7点と前回調査から1.5ポイント下落した。「経済力」「軍事力」「文化的影響力」など6分野で首位となったものの、「外交的影響力」は89.3点と同1.1ポイント減。91.5点を付けた中国に抜かれ首位の座を譲った。
アジア太平洋域内での大使館の数などで評価する外交ネットワークが中国に比べて弱いことや、同地域でのバイデン政権の外交について「専門家らの意見が抑制されたもの」だったことが響いた。
2位の中国は2.1ポイント下落し72.5点だった。厳しい規制で新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ政策」により経済力などが落ちた。ただ「(アジア)各国との通商や投資といった強固な関係」を受け「経済関係構築」は首位を維持した。
日本は37.2点で順位は前回に引き続き3位だった。「地域の安全保障の担い手として緩やかに台頭している」(同研究所)ことを反映して「軍事力」がスコアを伸ばした。一方で「経済力」「回復力」などは下落した。
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