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シーの21年12月期、最終赤字2300億円 ゲーム事業減速

【シンガポール=中野貴司】シンガポールのシーが1日発表した2021年12月期決算は最終赤字が20億ドル(約2300億円)となり、前の期(16億ドルの最終赤字)に比べ赤字額が拡大した。売上高は99億ドルと前の期に比べ2.3倍に増えた。世界的なテック株への逆風に加え、安定した収益源だったゲーム事業の利用者数も足元で減少に転じており、収益改善への圧力は強まっている。

直近の21年10~12月期は売上高が前年同期比2.1倍の32億ドル、最終損益が6億ドルの赤字(前年同期は5億ドルの赤字)だった。売上高の伸びは続いているが、ゲーム事業の利用者数は前四半期比で減少に転じ、頭打ち傾向が鮮明になった。利用者数が多い主力市場のひとつのインドで、政府が2月中旬にシーの人気ゲーム「フリーファイア」のアプリの利用を禁止するなど、さらなる懸念材料も出ている。これまでゲーム事業の安定収益がネット通販や金融事業のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の赤字を埋め合わせてきただけに、ゲーム事業の減速は痛手だ。

フォレスト・リー会長兼グループ最高経営責任者(CEO)は1日の電話会見で「東南アジアと台湾のネット通販事業は22年中に、本社のコストを除くベースでEBITDAが黒字に転換する」と収益改善の見通しを強調した。25年までにはネット通販と決済事業が自前で資金調達できるようになるとの見解も明らかにした。21年10月に進出したばかりのフランスのネット通販事業も早々に撤退を決めるなど、収益重視の方針を投資家に懸命に訴えている。

それでも早期の最終損益の黒字転換は難しい情勢で、株価は21年のピーク時の半値以下で低迷している。東南アジアのネット通販事業の競争も依然激しく、経営陣の思惑通り、広告・マーケティング費用を削減し、利益を確保できるかは不透明だ。アジア、中南米、欧州と複数の地域の事業拡大を優先してきたシーだが、事業の採算を再検証した結果、フランス以外の市場でも撤退を迫られる可能性がある。

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