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中国製造業、受注回復は大手中心 2月景況感が小幅改善

【北京=川手伊織】中国製造業の新規受注が持ち直してきた。中国国家統計局が1日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)によると、新規受注を示す指数が7カ月ぶりに好不調の境目である50を上回った。地方のインフラ建設などが動き出したためだ。だが、恩恵は大手や中堅に偏る。コスト高も加わり、中小企業の景況感は悪化が続いている。

PMI全体は50.2で、1月を0.1ポイント上回った。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。2021年11月から4カ月連続で、50をわずかに上回る水準で推移した。

市場は2月のPMIが悪化し、50を割り込むと予想していた。2月1日の春節(旧正月)を挟んだ大型連休で生産活動が止まるためだ。市場の見通しに反して小幅に改善したのは、PMIを構成する新規受注の指数が改善したからだ。この指数は2月、前月より1.4ポイント高い50.7だった。50の節目を超えるのは21年7月以来だ。

丸紅中国の鈴木貴元経済調査総監は「インフラ建設が動き出し、建材メーカーなどの景況感の下支えに寄与し始めた」と分析する。地方政府は昨年後半から、インフラ債券の発行を増やしてきた。鈴木氏によると、半導体工場やデータセンターの建設需要が伸びている。

中小零細企業には受注持ち直しの流れが及んでいない。大企業と中堅企業のPMIはともに改善し、節目の50も上回る。対照的に中小零細企業は45.1で、前月より0.9ポイント悪化した。生産も受注も落ち込み、新型コロナウイルスの直撃で経済活動がほぼ止まった20年2月以来の低さとなった。

地方政府のインフラ建設は、大手国有企業などに受注が集中しやすい。新型コロナ対応の移動制限で民需の回復がもたつくなか、中小零細企業は公的需要拡大の恩恵を受けにくい。中国人民銀行(中央銀行)の利下げで、資金繰りの逼迫ぶりはやや和らいだが、需要不足を受け、企業は将来見通しを立てるうえで慎重になる。

3月以降は原材料価格の上昇が景況感の重荷になりかねない。ロシアのウクライナ侵攻で、国際商品市況は再び高騰している。とりわけ産業構造の川下の分野に多い中小零細企業は、コスト高と弱い消費との板挟みになって価格転嫁が難しく、利益を圧迫されやすい。

中小零細が大半を占める民間企業は中国の就業者の8割が働く雇用の受け皿だ。コスト高で景況感の持ち直しがさらに遅れれば、雇用や所得への下押し圧力を通じ、内需の柱である消費の伸び悩みも長引く可能性がある。

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