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中国、ASEANとミャンマー情勢協議

中国がミャンマー情勢を巡り、東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携強化に動いている。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は2日までの日程で、ASEAN4カ国の外相を招いて会談している。米国や欧州各国によるミャンマーへの干渉をけん制し、中国の影響力を確保する狙いだ。米国も取り込みに動いており、米中による引き抜き合戦の様相もみせる。

中国・福建省を訪問しているのは、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン4カ国の外相。訪問に先立ち、中国外務省の華春瑩報道局長は3月30日の記者会見で「中国とASEAN関連国との関係を新たな高みに押し上げ、地域の平和と安定をよりよく維持したい」と話した。

王氏は31日にシンガポールのバラクリシュナン外相と会談。「ASEANが内政干渉しない原則を堅持し、ASEANのやり方でミャンマー情勢の安定を促進することを支持する」と伝えた。

今回訪問した4カ国は、ミャンマー国軍によるクーデターで米欧が制裁に動いていることを懸念している。制裁でミャンマーがさらに混乱すれば、ASEAN全体に影響が及びかねないためだ。

ASEANは自らが仲介する形での問題解決を目指しており、3月上旬にインドネシアが主導して非公式の外相会議を開いた。

ミャンマー国軍がデモの弾圧を強めたことで、米欧は制裁を強化したが、状況は悪化している。王氏の発言はASEANが解決を探る姿勢を容認するとともに、欧米をけん制した格好だ。

タイのドーン外相は3月30日、インドネシアのジョコ大統領が開催を提唱する首脳会議が4月に実現するとの見通しを示した。4カ国の外相にとっては首脳会議を前にミャンマーに影響力を持つ中国の支持を取り付ける狙いがあるとみられる。

中国にとっても、3月中旬の米中外交トップによる協議が物別れに終わり、米欧が対中制裁を発動した後にASEAN4カ国の外相を訪中させた意味は大きい。

中国と米欧の溝が広がる中で東南アへの影響力を誇示できるためだ。ASEANと連携して中国大陸からインド洋に陸路で抜けられる交通の要衝に位置するミャンマーの情勢を巡り主導権を握り続ける戦略だ。

バイデン米政権も手をこまねいていない。マレーシアのヒシャムディン外相は3月31日、自身のフェイスブックで、ブリンケン米国務長官から電話があったと明かした。ミャンマーと南シナ海の情勢を巡り意見を交換したという。

ロイター通信によると、米国務省のプライス報道官は31日に「中国はその影響力を利用して、ミャンマーでの軍事クーデターの責任者に責任を取らせるべきだ」と批判した。

(北京=羽田野主、ジャカルタ=地曳航也、シンガポール=中野貴司)

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