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ミャンマー武装勢力、与党元候補者3人を解放

【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー西部ラカイン州の少数民族武装勢力「アラカン軍」は1日、選挙運動期間中に拉致していた与党・国民民主連盟(NLD)の元候補者3人を解放した。国軍とアラカン軍は11月下旬から対話を始めており、解放は信頼醸成措置の一環で実現したとみられる。

11月下旬、ラカイン州を訪問した笹川陽平・日本財団会長ら=日本財団提供

解放されたNLDの3人は、11月に投開票された総選挙に上院、下院、地方議会の各選挙に立候補していた男性1人と女性2人。10月中旬、ラカイン州中部の選挙区内で共同で選挙運動を行うために移動中、アラカン軍の襲撃を受けて拉致されていた。関係者によると3人の身柄は1日、アラカン軍から国軍側に引き渡された。NLDの報道担当者も日本経済新聞の電話取材に「1日中に解放される」との見解を示した。同時に戦闘中にアラカン軍に拘束されていた国軍兵士3人も解放された。

ラカイン州では2019年以降、仏教徒中心のラカイン族の武装勢力であるアラカン軍が主流派ビルマ族の支配からの脱却を求め、勢力範囲を急速に拡大している。これを容認しない立場の国軍と激しく衝突してきた。戦闘で住民20万人以上が村を離れ避難生活を強いられてきたとされる。11月の総選挙ではラカイン州北部地域で「治安上の理由」で選挙の実施が見送られた。

だが総選挙後、ミャンマーの少数民族和平問題を担当する日本政府代表を務める笹川陽平・日本財団会長の仲介で、アラカン軍と国軍は選挙実現に向けて対話を開始した。その後は事実上、停戦状態が保たれている。笹川氏は「候補者や兵士の解放を歓迎する。国軍やアラカン軍の関係者に敬意を表したい」との声明を出した。

民主化指導者アウン・サン・スー・チー国家顧問率いるNLD政権はラカイン州での選挙実施への立場を明確にしてこなかった。アラカン軍との和平交渉で国軍に主導権を握られることに危機感を感じているためだ。今回、NLD候補者の解放が実現したことで、今後スー・チー氏がラカイン州での選挙実施にどういうスタンスを取るのか、政治的判断を迫られることになる。

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