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旭化成名誉フェロー 吉野彰(23)魔法のフィルム

絶縁材と因縁の出合い 特許囲い込まぬ戦略当たる

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「他社の電池に使う予定のセパレータ(絶縁材)ですが、ちょっと性能を調べてもらえませんか」

1985年ごろ、違う部署の同僚から頼まれた。この部材は「ハイポア」(商品名)。のちに新型リチウムイオン電池の中核部材に採用され、旭化成の成長事業のひとつに育っていく。このときが最初の出合いだった。

セパレータは電池のプラス極(正極)とマイナス極(負極)を隔て、電気の運び手であるイオンを通す役目を担う。ハイポアはその...

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吉野彰

スマートフォンやパソコンなど私たちの身の回りの様々な機器を動かしているリチウムイオン2次電池。これを開発し2019年のノーベル化学賞に輝いたのが旭化成名誉フェローの吉野彰さんです。手がけた研究テーマがなかなか実らない苦しい時期に運命的に出合った「電気を通す樹脂」。そこから電池開発に乗り出すも、次から次へと難題が持ち上がり――。諦めない精神と柔軟な発想で道を切り開いてきた、希代の企業研究者の物語です。

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