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多様性が当たり前の世界はどのような風景ですか?

魚谷雅彦・資生堂社長 経営者編第4回(9月6日)

読者の皆さんは、どのような社会が理想の姿だとお考えでしょうか。新型コロナなどの感染症がない世界と答えるかもしれませんね。貧富の差が大きくない世界、宗教や価値観の違いを認め合い分断のない社会、安全・安心な生活空間などでしょうか。未来の姿は様々で、答えは1つではありません。だからこそ、いっしょに考えていきたいと思います。

魚谷雅彦・資生堂社長

昨年の今ごろ、新型コロナにこれほど長く、苦しめられるとは思っていませんでした。でもこの長い時間を無駄にはできません。コロナが私たちに突きつけたものは何か、この逆境をバネに、危機感の裏返しとして、何をすべきかを真剣に考える好機にすべきだと考えます。

幸い、資生堂は人々の気持ちを明るく、活力をもたらし、自信や勇気、そして前向きにさせる化粧品やサービスを扱う会社として存在します。化粧品は嗜好品ではありますが、多くの人に必要とされる商品であり、社会に価値を提供し貢献できる会社を目指しています。

アメリカから車椅子生活をしていた高齢の女性がおしろいをつけ、口紅をひいて積極的になり、再び歩けるようになったという便りをいただきました。男性向けスキンケアや、赤ちゃんにも使用できる日焼け止めに対応した商品もあります。化粧は若い女性だけのものではなく、世代や性別を越えた様々な方のために存在しています。喜びや幸せの実感をもたらすのが化粧なのです。

ハイブリッド方式で開催した2021年の入社式(感染対策のため撮影時のみマスクを外した)

今年春の入社式では、約200人の新入社員がそれぞれ5秒の持ち時間で入社の抱負を語ったところ、多くの社員が口にしたのが「笑顔」という言葉でした。「世界の人を笑顔にしたい」「いつも笑顔のある社会」。まだ会社に染まっていない新人の皆さんから自然に発せられた言葉に私だけでなく、その場にいた経営陣たちも「資生堂のあるべき本質を教えられた」と思いました。

資生堂の通底にあるダイバーシティ&インクルージョンの考え方は、性別や年齢、国籍といった属性や障がいの有無、考え方の違いにかかわらず、個々人の違いをお互いに認め尊重し合うことです。でも、それはまだ過渡期だと思っています。本当に多様性を認め、尊重し合う社会になっていたら、このようなことを言う必要はありません。だから、そのような社会を早く実現するために言い続ける必要があるのです。当たり前の社会を作るために化粧品は重要な役割を担えるのではないかと考え、社会的価値と経済的価値を融合した事業として取り組みます。

改めて読者の皆さんに問い掛けます。違いを認め、尊重し合うことができるようになった先の世界はどのような風景なのでしょうか。

私たち資生堂は本業であるビューティービジネスを通して、多様であることが当たり前の世界を作るお手伝いをしていきます。

魚谷雅彦・資生堂社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから。

編集委員から

違いを認める世界はどのようなものなのでしょうか。平和や人類愛を説いているジョン・レノンの代表作の一つ「イマジン」のような心象風景ではないでしょうか。国境も争いごともなく、分かち合いの世界。この中で「人はぼくのことを夢想家と言うかもしれないが、ぼくだけじゃない。いつか、仲間に加わってくれたら世界は一つになれる」と綴(つづ)っています。昨日まで熱戦が繰り広げられたパラリンピックと、その前のオリンピックが同時に開催される日も近いかもしれませんね。

生活者が真に望むことは何か。突き詰めれば人間の内面にまで入り込まないと分かりません。化粧に期待されることは表層的な美だけではなく、奥が深いものなのです。内面を知ることで解決の糸口もわかり、それが実現できたあかつきには生活者は美の力で自然と笑顔になるのでしょう。(編集委員 田中陽)

◇   ◇

今回の課題は「多様性が当たり前の世界はどのような風景ですか?」です。400字以内にまとめた皆さんからの投稿を募集します。締め切りは9月14日(火)正午です。優れたアイデアをトップが選んで、27日(月)付の未来面や日経電子版の未来面サイト(https://www.nikkei.com/business/mirai/)で紹介します。投稿は日経電子版で受け付けます。電子版トップページ→ビジネス→未来面とたどり、今回の課題を選んでご応募ください。

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