コロナ禍1年、習近平経済方針から消された警鐘の言
編集委員 中沢克二
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中国共産党の重要会議の発表では、難解な文言そのものより、書いていない中身のほうが極めて大きな意味を持つ。特に以前は触れていたのに今回、消された文言に注目すべきだ。
先に開かれた2021年の経済運営を巡る中央経済工作会議に当てはめるなら、それは「経済の下押し圧力が増している」という表現の消滅である。19年12月中旬の同じ会議で国家主席の習近平(シー・ジンピン)はこんな厳しい表現で訴えかけていたのに、...
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経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(前中国総局長)が深掘りする。