お金を払って作業を手伝う、市民が支える農のカタチ
編集委員 吉田 忠則
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その農場は一見すると、よくある市民農園のようだった。だが運営の仕方や目指す事業の方向は、市民農園とは少し違う。消費者の農業への新たなかかわり方を模索する取り組みを紹介したい。
神奈川県座間市にある小田急小田原線の相武台前駅を出て、住宅街の中を歩くこと十数分。「なないろ畑」と書かれた看板の先に広がる畑に、十数人の市民が集まっていた。
この日の作業は、ニンジン畑の雑草取り。農薬を使わずに育てているの...

農政から先進農家、スマート農業、植物工場、さらにカリスマシェフや外食チェーンなど「食と農」に関するテーマを幅広く取材してきた。著書に「見えざる隣人」「農は甦る」「コメをやめる勇気」「農業崩壊」。中国の駐在経験も。