「無秩序な資本」アリババも標的 習近平氏が急旋回
編集委員 中沢克二
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計画経済の伝統を引きずる中国の12月は来年のかじ取りを決める重要な季節である。繁忙期の北京・中南海で注目すべき動きがあった。
実名こそ挙がらなかったが標的の一つは電子商取引最大手のアリババ集団、その創業者で「紅い資本家」の馬雲(ジャック・マー)である。馬雲は中国共産党員だが、アリババ傘下のアント・グループは先に突然、上場延期に追い込まれた。
中国経済と共産党に多大な貢献をしてきた紅いアリババ帝国に...
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経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(前中国総局長)が深掘りする。