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中小企業がVUCA社会で発展するためには?

読者の提案と社長の講評 北原睦朗・大同生命保険社長編

北原社長の提示した「中小企業がVUCA社会で発展するためには?」という課題に対し、多数の投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部を紹介します。

■地域商社組み拡販

桐田 和子(経営者、50歳)

私は、社員4人足らずの食品関連の商社を切り盛りする女性経営者だ。当社にはパソコン1台とFAXがあるだけで、海外との商談はもっぱらSNSに頼る。当然、DXやSDGsを議論する余地はなく、飲食業の低迷、原材料の高騰、急激な円安のトリプルパンチが直撃した。中小企業の8割は従業員数名の小規模事業者のためDXを活かしにくい環境にある上、VUCAの波を受け将来が見通せなくなったのは当社だけではないはず。こんな中、今一番求められるのは、圧倒的に弱い営業力を補うための販路拡大ではないか。中小企業には様々な課題があるが、環境が激変している今は自信を持って作る製品の販売力強化こそ経営者が求めていることであり、中小企業を発展させる数少ない解決策と言える。地域商社のような取り組みはすでに始まっているが、全国の地域商社が連携して中小企業の有能な営業担当者が各地に点在するような仕組み作りが理想だと考える。

■市民が記す掲示板

緑川 知紗(学校法人石川高校3年、18歳)

消費が落ち込み、中小企業の倒産が続いている昨今、必要とされるのは、人々のニーズに素早く応えることだと思う。しかし、新しいものを作るにはそれなりの期間と経費、そしてアイデアが必要だ。そこで、アイデア掲示板を作るのはどうだろうか。欲しいものを自由に市民が書き込み、それを中小企業が協力して実現へこぎ着ける。比較的規模が小さく、専門分野を学んでいる企業が力を出しあえば、素早い完成が目指せるだろう。もちろん、とうてい実現不可能なとっぴなアイデアが書き込まれることもあるだろう。また、悪意を持ってそうした書き込みをする「荒らし」行為が起こることも否定できない。しかし、そういう時にこそ人工知能(AI)を使うべきではないだろうか。同じような意見をひとつのデータに集約して、企業が見やすい資料を作ってもらうのだ。AIと人々のアイデア、中小企業が一緒になって共生する未来に貢献するアイデア掲示板を提案したい。

■社内をVUCA化

福地 真之介(産業能率大学経営学部3年、20歳)

予測のできない出来事に中小企業が備えるとしたら、社内を「VUCA社会」に変えて、予測のできないような組織にするのがよいと私は考える。例えば、その日その日に日替わりで現場を担当するリーダーが任命されたり、上司と部下の立場が入れ替わったりするようなイメージだ。業務に支障が出てこない程度に、ちょっとした環境変化を組織内に日々組み込んでいく。そうすることで、従業員は予測のできない変化にいっそう敏感になると思われる。それに加えて、従業員は「もしかしたらきょう、現場リーダーに任命されるのは自分かもしれない」などと自発的に頭を働かせるようになり、変化への当事者意識も芽生えてくることになるのではないだろうか。環境変化において、当事者意識を持つということは非常に重要である。このようにして組織を運営していけば、予測のできない出来事が発生したときに、よりうまく対処できるようになるだろう。

【以上が紙面掲載のアイデア】

■若者の実践の場に

城向 翔(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部3年、20歳)

若い世代が貴重な実践的経験を積める「社会への登竜門」として、中小企業を定義してはどうだろう。現場との近さや専門的技術力の高さなどをよりどころにした、アイデアを形にできる実現力が中小企業の強みだ。だが、この強みは必ずしも広く認知されておらず、十分に生かされているとも言い難い。そこで、若い人材が気軽に門戸をたたけるように、中小企業はインターンシップやアルバイトなど正規雇用にこだわらない就業形態を用意してほしい。中小企業が自らを「若い世代のステップアップの場」ととらえて柔軟な雇用機会を提供すれば、若者からの注目度は高まる。働きたい人が増えるだけでなく、その後の人材獲得もやりやすくなるはずだ。ステップアップではなく、そのまま正社員になりたいという人も出てくるだろう。人材不足が解消できるのはもちろん、こうした取り組みによって集まった若い人材が、VUCA時代を乗り切るための切り札になってくれる。

■国がブランド化を

稲葉 太一(海陽学園海陽中等教育学校3年、14歳)

日本の中小企業は特定の分野によっては非常に高い技術力を誇り、海外からも注目されている。しかし、不況時には景気の「調節弁」として、大企業の利益を優先するために、製品の発注を減らされたり、人員整理を迫られたり、最後は「切られて」倒産する中小企業もあったようだ。そこで私は「国主導」による中小企業のブランド化を提案したい。まず、国が正式に個々の中小企業の技術力を証明する制度をつくる。技術力の低下を防ぐため毎年、技術力に関する審査も行う。さらに、いいものをつくってもらうため、ブランドを二段階制にして国が出す補助金の額を変える。例えば技術ランキングの上位1%以内に入る中小企業は国が手厚く支援し、海外へ製品を売り込む際には国もサポートする。うまくいけば日本の輸出は増え、景気も良くなり、中小企業が「切られる」ことも減るだろう。国のお墨付きは中小企業のためだけではなく、日本全体の底上げにもつながるのだ。

■失敗糧にできる仕組みを

村田 万里子(会社員、64歳)

新しくチャレンジをして成功する確率は10%あればいい方だ。失敗することを評価して投資をしてくれる仕組みをつくり、中小企業もその若い従業員もチャレンジできるようにすべきだ。特に零細企業では、失敗を恐れて、経験豊富なベテランが中心になり、経験済みの仕事をし続ける傾向がある。仕事で失敗は損失につながると恐れられているからだ。そのためにVUCA時代の流れに乗れずに組織が衰弱していく可能性がある。小さい時から「失敗=悪」という認識が植えつけられ、競争して負けるのが嫌だから競争しない。そんな若者ばかりでもないようだ。先日アイドルになりたい若者のオーディション番組を見る機会があった。競争、脱落させられながら選ばれた人たちが選ばれたことに誇りを持つ一方、選ばれなかった人と互いにリスペクトし合って努力を惜しまず励んでいる姿が映し出されていた。その姿に感銘を受けている若者もたくさんいるという。

■IT技術の学び直しを

篠井 洸一(京都橘大学現代ビジネス学部3年、21歳)

中小企業が発展するために従業員のリスキリングを奨励し、職業能力の再開発のシステムを構築することが必要なことだと考える。私自身、現在独学でプログラミングを学んでおり、義務教育でもプログラミング教育が始まり、ITの需要が高まっている。しかし、需要が高まっている中、供給が追いついていないのが現状である。また現時点でIT人材を確保するのも難しい場合もあり、そういう場合は社内で使える人を作ればいいと考える。企業のDX戦略に対応するための職業能力の再開発であり、そのための費用と時間は会社が負担する。私自身も学習してみて難しいと思うこともあるため、企業が全面的にサポートすべきだと思う。こうすることで自身の成長にもつながり、各企業において貢献したいという気持ちが強まると思う。成長してからの人材の流出の恐れがあるが、その分を差し引いても企業側にメリットはあり、未来の投資だと思えばいいと思う。

■進化して環境に適応

皆川 真之介(産業能率大学経営学部3年、20歳)

予測のできない「VUCA社会」はまるで自然環境のようである。最強の恐竜が絶滅した時、生き残ったのは小さく、そしてどんな環境にも適応できた生物だという。ダーウィンは、強い者、賢い者が生き残るのではなく、「変化できる者」が生き残ると唱えたと聞く。どんな時代でも、臆せず変化し続けられる者が常に生き残っていき、変化に疎い者ほど環境に適応できず、時代に置いていかれてしまうのだろう。こういった生物の歴史や進化論は、現代の社会や会社経営においても同じように当てはまるのではないか。小さくても機敏に動けるのが中小企業の強みであり、生き残りや発展には、その強みを生かした積極的なアクションが求められると思う。企業が持つ自前の武器に磨きをかけるだけでなく、今後は環境に合わせたその武器の使い方やかじ取りが重要になっていくはずだ。経営陣をはじめ、リスクを恐れない挑戦への勇気が試される時である。

■越境ECに活路を

西 悠翔(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部3年、20歳)

中小企業が越境EC(電子商取引)を駆使した海外進出に取り組むべきだと考える。越境ECは海外に拠点を設置するよりも大幅にコストを抑えられるため、経営資源が限られる中小企業でも容易に海外進出ができる。中小企業の海外進出は障壁が高いイメージがあるが、海外にこそ地域の特性や独自の技術を生かした製品の需要があるのではないか。私の祖母は東南アジアやアフリカの工芸品を収集するのが趣味だった。異国の独特なデザインや質感に魅力を感じるそうだ。日本の中小企業にもビジネスチャンスがあると思う。新型コロナウイルス感染拡大により訪日外国人は減少し、人口減少の一途をたどる日本の市場は縮小傾向である。越境ECは、少額の投資で数多くの国と地域にビジネスチャンスを広げられる。米国やアジアの隣国ではなく、アフリカや南米での潜在需要発掘の可能性もある。中小企業は海外進出にブルーオーシャン(未開拓市場)があるのではないか。

■健康増進企業を応援

和田 明歩(大妻多摩中学校3年、14歳)

社員がお互いの健康をサポートするようなユニークな福利厚生制度を設けている中小企業を、企業向けの生命保険の枠組みを使って支援することを提案したい。中小企業は社長を父親とするファミリーのようなものだ。特に、従業員が一緒にいる時間の多い平日は、本当の家族以上のファミリーかもしれない。そんなファミリーが幸せに過ごすために、健康増進は欠かせない。例えば、自分が成功したダイエット方法を他の従業員に勧め、その従業員が満足した場合には、勧めた側と勧められた側の両者に「年金ポイント」を付与する制度ができたらおもしろい。こうしたしくみがあれば、従業員は自分が会社から大切にされていると感じることができる。仕事へのモチベーションや会社への愛着がより一層、増すのではないだろうか。ぜひ、こうした中小企業を保険で応援してほしい。中小企業を皮切りに、こうした動きが大企業や社会全体に広がるきっかけになるはずだ。

■ギグワーカー活用を

曽田 昌弘(会社員、42歳)

人手不足の中小企業が、週の特定の曜日に働く人や、特定の案件にだけ働く人を募り、ギグワーカーがそれに応募する仕組みがあれば、中小企業とギグワーカー双方の課題解決につながるのではないか。ギグワーカーはまずはお試しで働ける。最初はつまみ食いになるかもしれないが、その中からその仕事の面白さにハマる人も出て来るだろう。その人が入社してくれれば、将来的には後継者候補にもなり得る。もちろん週1日や2日の勤務や、特定の案件だけの勤務という関係を維持するのも良いだろう。できれば、資金繰りが苦しい会社こそ助けられるよう、仲介を担う行政や企業が、賃金支払いを一時的に請け負うバッファの役割を果たしてくれるとなお良い。人手不足の一方で、組織に属さずギグワーカーとして働く人が増えているが、ここには片思い同士のすれ違いが起きているのかもしれない。昼にランチを届けた工場が、それを運んだ人にとって実は天職かもしれないのだ。

■中小企業で就業体験

滑 祐生(京都橘大学現代ビジネス学部3年、21歳)

変化の激しい社会に対応できる若い人が中小企業で働く必要があると考える。私は工業高校時代に町工場でインターンシップ(就業体験)に参加した。そこでは機械ができるような単純作業を行うだけだった。私はこうした経験から、VUCA社会で単純作業を仕事にしていては職を失ってしまうのではないかという危機感を抱き大学進学を決めた。大学でも町工場のインターンシップを体験したが、そこでは企画に携わる上流工程の仕事を経験することができた。多くの大学生がイメージする町工場は前者だと思うが、後者のような仕事もあり、活気のある職場もあることを知ることができた。そこで授業以外に大学生がコンビニなどでアルバイトをするように、町工場で週に10時間インターンシップをする制度を提案したい。この制度によって、大学生が実際に働くことでしか見えない町工場の良さを知ることができるし、町工場にとっては就職を希望する若い人が増えるかもしれない。

■起業家との交流増やせ

英賀 朱音(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部3年、20歳)

中小企業は、起業家や起業家を志す人たちとの交流イベントをもっと行うべきだ。中小企業の強みはスピード感をもった意思決定や社員同士の距離が近いことにある。一方で家族型経営が多いため、大胆に事業の舵(かじ)をきりにくい文化が根付いていたりする。後継者不足の問題や規模の経済が働きにくいことによる生産性の低さも指摘される。どんな時代でも新しいアイデアは不可欠だ。そこでイベントなどを通じて起業家との交流を深め、新たな価値観に触れたり、刺激を受けたりすれば、既存の事業から新しい気づきを得る機会も増えるのではないか。中小企業庁の調べでは、2025年までに70歳を超える中小・小規模事業者の経営者は約245万人となり、その約半数が後継者未定という。イベント交流の活発化は、経営に興味のある人材との出会いを増やし、事業継承などの課題解決につながる可能性もある。起業家にとっても先駆者のノウハウにふれるチャンスだ。

■経営者をシャッフル

大倉 小歩(関東学院六浦高校1年、15歳)

中小企業の経営者をシャッフルすることを提案する。中小企業は同じ人がずっと社長を務め、経営者が高齢になっている例が多い。ぶれない経営と言えば聞こえはいいが、逆の見方をすれば、時代の変化に対応しにくい体制ともいえる。事実、社長の年齢が高い中小企業ほど試行錯誤を許容する組織風土が乏しいというアンケート調査もある。そこで、長く経営してきた企業とは別の企業のトップに就いてもらうのだ。シャッフルは一時的で構わない。違う企業の経営を経験することで新しい発見ができる利点は大きい。自分の会社を外側から客観的に見るチャンスが生まれ、改めて自分の会社の長所や欠点に気がつくこともあるだろう。若い経営者とのシャッフルなら、さらに高い効果が期待できる。若手ならではのチャレンジ精神が経営にもたらされ、飛躍のきっかけになるかもしれない。若手経営者にとっても、老舗企業の手法に直接触れて学べるのはメリットだ。

■採用条件は「変わった人」

石原 尊瑠(海陽学園海陽中等教育学校1年、12歳)

この世の中、何が起こるか全く予想できない。急に地震が発生するかもしれないし、病気も流行するかもしれない。予想ができず、今まで前例がないことについては、機械はあまり頼りにならなそうだ。だから、「人」の対応を根本的に変えていかないと、社会の変化にのみ込まれてしまう。そこで中小企業は「変わった、常識を覆す」ような人を選んで採用するとよいのではないか。変わった人というのは、目の前のことだけでなく、「不測の事態ではどうしたらいいのかな」と常に未来を予想しているように思う。こうした人材がいれば、どんなことが起きても迅速に対応できるのではないだろうか。中小企業は非1次産業の雇用人口の約70%を占める。変化が求められている第2次、第3次産業において、「変わった人」が集まれば、中小企業は大きく発展するはずだ。予想が難しい、それならば、あらかじめ考えよう。その人材が中小企業に必要だと僕は思う。

■人材交換を助成する制度

家田 知明(会社員、60歳)

「企業は人なり」で、優良な大企業では企業間の人材交換を積極的に行い、人と組織を育てる社内環境の整備や改善をするところもある。企業にはそれぞれの歴史や文化があるが、あえて異文化の社外人材を組織に組み込むことで、人も組織も活性化するからだ。今後のVUCA社会では、これまで以上にグローバル化に対応できる人材と組織が求められる。そこで職場の環境改善を行う余裕がない中小企業等に対して『企業間で一定期間の人材交換ができる助成制度』を創設してみてはどうだろうか。自治体からの補助金と制度に賛同する企業より資金を集め、企業の事業が活性化するための人材の流動化の仕組みをつくる。人材交換を積極的に行う企業には奨励金を出し、人材交換で売り上げの減少した企業には減少分の費用を助成する制度だ。企業間の人材交換が進めばアライアンス強化にもつながるし、日本経済全体の底上げにも貢献できると考える。

■見せます、わが社の日常

多胡 七香(渋谷教育学園渋谷高校1年、16歳)

会社の日々の業務や日常のちょっとした面白い出来事について、社員目線で全世界に発信してはどうだろうか。中小企業には規模が小さいからこその一体感や専門性、独自性があるにもかかわらず、大企業に比べて知名度が低く、異分野の人が関わりを持つことが難しい。だが、経験則が通用しない社会で強みとなるのは多様性だ。年齢や国籍、立場を絞らずに発信することは、今までにない出会いやイノベーションと、それらによる中小企業の発展につながるだろう。加えて、会社の日常を発信するコンテンツ自体にも需要があるはずだ。一般人のルーティン動画など日常を発信するコンテンツは共感や関心を集めやすく人気が高いが、会社の日常をオープンに発信するものはまだ少ない。加えて、就職に関心を持つ人や一般の消費者に対する事業のアピールにもつながる。何より、変化の大きい社会だからこそ、会社内の日常にあふれる変わらない点を強みとしてアピールしてほしい。

■遊び心を生かそう

森 咲穂(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部1年、18歳)

VUCA社会で中小企業が活躍するためには遊び心がある人材の活用がキーになるのではと考える。このような社会で生き残るにはナンバーワンあるいはオンリーワンになる必要がある。ナンバーワンになることは大手がいる限りかなり難しいことになるので、オリジナル、新しい考えを武器に闘っていくことが賢明な判断だろう。そこで活躍するのは遊び心があり、固定観念にとらわれない自分を持った人材だと考える。影響力に多少の差はあっても、今はインターネットの普及により誰でも簡単に発言が可能だ。遊び心のある従業員の、世の中の多くの人に必要とされる意見を反映した製品やサービスを中小企業が提供できれば、需要が高まって世の中に広がり中小企業が輝ける可能性を増やせる。新しいものを受け入れ、遊び心で新しいものを作り出せる人を雇うことが、中小企業がVUCA社会で発展するための大きな一歩になるのではと考える。

■新人材育成保障プラン

黒川 竣介(京都橘大学現代ビジネス学部3年、20歳)

「人材育成保障」という新たな保障プランを提案する。現在、中小企業が抱える課題の一つに社業の中核を担う人材の不足が挙げられる。即戦力でもある中核人材の確保は、中小企業にとって必要不可欠であり、緊急性が高い。この課題に対して各企業は、資格取得の支援に力を入れたり、語学留学生を増やしたり、社外セミナーへの参加を促したりしている。私はこれらの取り組みに、新たな保障プランを付加すれば良いと考えた。資格取得のためにかかる費用、語学留学のための渡航費や授業料、社外セミナーの参加費などをまかなう保障プランだ。私は就職したら、社会人セミナーなどに積極的に参加し、最新のビジネススキルを身につけたいと考えている。だから、人材育成のための保障が充実している企業はとても魅力的だ。この新プランの導入が進めば、幅広い分野でスキルアップが望め、中核人材の確保にもつながる。結果的に、中小企業が発展する原動力になるだろう。

大同生命保険・北原睦朗社長の講評

昨年に引き続き、今回も幅広い年齢層の方から、たくさんの魅力的なアイデアをお寄せ頂きました。回答者の約8割が10~20代でした。日本の未来を背負って立つ若い皆さんからの積極的なご提案を大変うれしく思います。

日本の中小企業の製品や技術は世界でも高い評価を得ていますが、依然として「販路の拡大」は大きな課題です。当社が実施した「大同生命サーベイ」(2021年12月度調査)でも、中小企業経営者の約4割が「新規顧客・販路の拡大に取り組みたい」と回答しています。

生産・加工から販売までを一貫して手掛ける「地域商社」は全国各地にあります。これらが手を携え、それぞれが扱う中小企業の商品を広域流通させる構想に魅せられました。消費者がWEB上の掲示板に欲しい物を書き込み、適切な技術を持つ中小企業が製品化する仕組みは「新たな価値」を創出します。悪意を持った書き込みには人工知能(AI)が対処するという手法は18歳の高校生ならでは。今後、大同生命保険がこうした取り組みの橋渡しを担うことなども考えられます。

日ごろから社内に変化を与えて停滞感をなくし、従業員の意識を高めることも大切です。備えを怠らず、新しいことに次々と挑戦する企業風土を培う必要があります。こうした努力の積み重ねが、激しい環境変化に対応できる強い会社組織を築くのではないでしょうか。

企業には守るべき伝統や理念があります。それと同時に、環境変化に適応しないとサステナブルな成長は困難です。前例踏襲が通用しないVUCA社会だからこそ、既成概念にとらわれない自由な発想に基づく自己変革が重要です。

今回、頂いたアイデアを読ませていただき、将来を見据えて困難を乗り越える力を感じました。今後も「中小企業に信頼していただけるパートナー」として、中小企業の皆様とともに、当社もより良い未来の実現を目指してまいります。

◇ーーーーーーーーーー◇

日本経済新聞の紙面上に初めてVUCA(ブーカ)という用語が登場したのは2016年です。元は軍事用語で、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を意味する英語の頭文字からとりました。不透明なVUCA社会をいかに乗り切るのか、読者から約200の声が寄せられました。

中小企業同士が期間限定で経営者をシャッフル、常識を覆す「変わった人」を選択的に採用――など「人」に関する提案が多くありました。戦場並みの極限状態で日々の決断を迫られる中小企業経営者には、こうした思い切った意見こそが貴重です。

(編集委員 竹田忍)

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