ワクチンは万能にあらず それでも接種を勧めるワケ
編集委員 大林 尚
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厚生労働省は14日、米ファイザーから供給を受けた新型コロナウイルスのワクチンを特例承認した。英米両国に遅れること2カ月あまり、まずは国立病院機構の医療関係者らへの先行接種というかたちで、日本でも本格的な感染拡大への抑止策がスタートする。この機会に、小さな容器に入ったワクチンが個人、そして日本社会にどのような意味を持つのか考えてみたい。
4月には新型コロナの感染で重症になるリスクが高い65歳以上の高齢者への接種がはじまる見通しだ。国を挙げての事業となるワクチン接種の究極の目標は、接種を受けた人がコロナウイルスへの免疫をつけ、それを強めることで、発症や重症化を減らし、国内の感染増大を抑え込むことにある。そのためには、どうやって多くの人に受けてもらうかが鍵を握る。
Nikkei Views
政府は接種を努力義務と位置づけるが、「受ける」「受けない」は各人の自由