馬雲氏のアリババ、習近平「印」にあらず 企業に踏み絵
編集委員 中沢克二
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中国共産党の習近平(国家主席、シー・ジンピン)指導部によるアリババ集団への締め付けが止まらない。週末だった10日、当局が独占禁止法違反で182億2800万元(約3000億円)という過去最大の罰金を科した。金額は同社の2019年の国内売上高の4%に相当する。
続いて週が明けた12日夕には、人民銀行、銀行保険監督管理委員会など関係4部門が合同で、先に上場延期に追い込まれたアリババ傘下のアント・グルー...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。