習氏のTPP戦略に思わぬ壁 英国「脱欧入亜」の衝撃
編集委員 中沢克二
[有料会員限定]
米大統領に就いたジョー・バイデンと中国国家主席の習近平(シー・ジンピン)の首脳電話協議が実現しないなど米中関係膠着のなか、見逃せないのがバイデン政権が重視する同盟国英国と中国の急速な関係冷え込みである。
特に興味深いのは、欧州連合(EU)から離脱した英国の「脱欧入亜」と日本への接近が中国のアジア・太平洋戦略に大きな影響を及ぼしかねないとする中国の外交関係者らによる分析だ。一部では、1世紀以上前の2...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り3048文字

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(前中国総局長)が深掘りする。