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旭化成名誉フェロー 吉野彰(13)正極材料

苦難の日々に論文と遭遇 グッドイナフ博士との出会い

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1982年が暮れようとしていた。この年の10月、ソニーが世界初のCDプレーヤーを発売した。音楽といえばアナログレコード全盛だった時代が幕を下ろし、デジタル時代の到来を告げていた。街中には細川たかしの「北酒場」が流れ、年の瀬に彩りを添えていた。

私はというと悶々(もんもん)とした日々を送っていた。電気を通すプラスチックであるポリアセチレンをマイナス極(負極)に使い、繰り返し使える新型2次電池を開発...

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吉野彰

スマートフォンやパソコンなど私たちの身の回りの様々な機器を動かしているリチウムイオン2次電池。これを開発し2019年のノーベル化学賞に輝いたのが旭化成名誉フェローの吉野彰さんです。手がけた研究テーマがなかなか実らない苦しい時期に運命的に出合った「電気を通す樹脂」。そこから電池開発に乗り出すも、次から次へと難題が持ち上がり――。諦めない精神と柔軟な発想で道を切り開いてきた、希代の企業研究者の物語です。

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